2017 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症の脳局所/領域間ネットワーク病態についての機能的コネクトームMEG研究
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16K19748
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武井 雄一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30455985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳磁図 / ネットワーク / 安静時 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は健常男性27名の安静時データについて、local networkおよびglobal networkとCambridge Neuropsychological Test Automated Battery (CANTAB) で評価した持続的視覚注意のパフォーマンスの関連について検討した。 global network解析を行うに当たって、Hippら(2012)の手法を参考にした。各個人のRawデータについて、ソースレベル解析を行い、20484部位のデータを得た。計算量を削減するため、固有値分解を行い、20484部位の時系列データを68部位のデータに代表させる処理を行った。各周波数帯域でバンドパスフィルターを行った後、Hilbert変換を行い、エンベロープを取得した。この過程でMEG解析特有の問題であるsource leakageを直交化により回避した。得られた各脳領域のエンベロープ組み合わせについて、ピアソンの相関係数を計算し、得られた相関行列を元に視覚領域のDegree centrality (DC)を計算し、global networkのindexとした。local networkの指標としてPower spectral density (PSD)を用いた。持続的注意の指標として、RVP'A(反応の精度)と反応時間を用いた。 結果としてDC、PSDとも10Hz、20Hzでピークを示した。これらのピークの値とVP'Aと反応時間の相関を調べたところ、DCがRVP'Aと反応時間の両方と相関する一方で、PSDでは相関を認めなかった。 これらの結果から、効率的な視覚情報処理においては、脳局所におけるオシレーション活動の大きさよりは、視覚野と他の脳領域のコネクティビティーが重要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、本年度の課題であった健常者のデータとCANTABで評価した認知機能との関連について検討を行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
統合失調症患者について、MEGデータの計測を実施し、平成28年度に確立したによる機能的コネクトームの評価法を用いて、健常者と統合失調症患者のlocal network およびglobal networkの差異にについて検討する。このことにより統合失調症の脳局所/領域間ネットワーク病態について明らかにしていく。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] MEGによる統合失調症を対象とした表情認知課題中のオシレーションの検討2017
Author(s)
武井 雄一, 田川 みなみ, 加藤 隆, 大城 武史, 山口 実穂, 笠木 真人, 高橋 由美子, 茂木 智和, 鈴木 雄介, 櫻井 敬子, 福田 正人
Organizer
第39回日本生物学的精神医学会
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