2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical application of noise reduction method applicable by shifting reconstruction phase
Project/Area Number |
16K19819
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西井 達矢 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (20749345)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ノイズ低減 / CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々が原理を考案した、「位相差画像」を用いたノイズ減法の臨床CT画像への応用を実現することである。 まず、本年度の実施した研究と成果は、本手法によるノイズ低減が臨床的に重要となる領域として、細かい血管構造の描出が必要とされる閉塞性肥大型心筋症に対するカテーテル治療前の冠動脈の微細な中隔枝の描出および3次元解剖情報の構築という領域に注目した。これは高分解能関数利用による分解能向上の一方で増えてしまったノイズを、本法のノイズ低減によって軽減することで描出能が向上するという仮説を立て、その仮説を実臨床画像およびカテーテル検査の結果をもとに実証し、海外学会で報告した。 研究期間全体で明らかにした成果としては、以下の2点である。臨床画像への適応可能であることに関する原理的な妥当性の担保として、被曝線量当たり最大のノイズ低減が得られる条件を確認し、さらに血管狭窄ファントムを用いて、その条件での実際の血管の狭窄率評価の妥当性を実証した。さらに実臨床の冠動脈CTのみならず、経カテーテル大動脈弁置換術前の画像においてもノイズ低減と弁輪経計測値の妥当性を実証し、本年度は高分解能関数との併用の有用性を示した点である。 今後の研究の展開としては、弁構造の描出などより動きの大きい領域にて位相差画像間の位置合わせのエラーが生じるという弱点、脈拍依存のノイズ低減量という弱点を克服するため、新たなアイディア(本手法を用いてノイズ低減した画像と撮影して得られた画像のペアからそのノイズ成分を機械学習の手法で学習し、新規のノイズ低減法を開発する)にて、よりロバストな形での本手法の臨床応用をすることとしている。そのための最終年度では、その実証のために、教師データの収集および機械学習環境の構築を行った。次年度以降にこの基礎的な検討をもとに、今後の臨床応用に関する実証研究を行うこととしている。
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Research Products
(1 results)