2016 Fiscal Year Research-status Report
脂肪肝切除後の分子病態解明と抗酸化能増強による易障害性、易転移性克服法の開発
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16K19885
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
島田 慎吾 北海道大学, 大学病院, 医員 (40755576)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / ラット / 線維化 / 肝切除 / MALDI / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度はラットを用いて以下のごとく、動物モデルの作成、解析技術の確立を中心に実施した。 1)脂肪肝モデル 2)脂肪肝の線維化、発癌モデル 3)正常肝の部分肝切除(PH)、Pringle法併用部分肝切除(P-PH)モデル 4)肝のMatrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Imaging mass spectrometry(MALDI-IMS)解析手法 脂肪肝モデルは、文献的に報告されてる種々の方法を用いて作成した。その結果、2日間絶食後、高炭水化物食を3日間摂取させる方法で、脂肪肝モデルとしては安定した結果を得ることができた。ラットに対する部分肝切除はすでに確立されているので、モデル作成は容易であった。MALDI-IMS法については、ラット温虚血再灌流モデルに対して行ったが、傷害の早期予測マーカーとなりうる脂肪酸を同定できた。脂肪肝の線維化、発癌モデルに関してはSolt & Farber法に準じ、2-Acetylaminofluoren (2-AAF; 0.02%含有食)、Diethylnitrosamine (DEN; 10-200 mg/kg ip.)を用いて現在、行っている最中であるが、線維化、発癌ともに安定した結果が得られず、確立できていない。なお、ラット脂肪肝虚血再灌流モデルおよび肝切除モデル対しての水素ガス、硫化水素ナトリウムによる治療効果を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した脂肪肝動物モデルの確立と、脂肪肝の虚血再灌流、肝切除のモデルの安定化に時間を要したため、当初予定よりもやや遅れた。しかし、これらのモデル作成に並行して一般的な評価方法と質量分析イメージングの条件検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪肝の線維化、発癌モデルがうまくいかないようであれば、先に脂肪肝モデルで循環腫瘍細胞(CTC) の存在状態を作成し、網羅的解析を行う。
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Causes of Carryover |
H28年度は動物モデルの作成、解析手法の確立が中心であったため、解析に至っていない。それゆえに、解析にかかる外注費や緒費用が支出されていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物モデルから採取した検体の各種解析を行う。
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