2016 Fiscal Year Research-status Report
複数画像の統合的統計解析による神経膠腫の生物学的特徴の画像化技術の開発
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16K20033
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Research Institution | National Hospital Organization Osaka National Hospital Institute for Clinical Reserch |
Principal Investigator |
沖田 典子 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10533797)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | glioma / MET-PET / MGMT |
Outline of Annual Research Achievements |
Grade2(5例)、grade3(3例)、grade4(4例)の神経膠腫症例12例を対象とし、MGMTのメチル化率とMethionine-PET(MET-PET)の取り込みについて検証した。 症例の内訳はdiffuse astrocytoma(DA):2例、oligodendroglioma(OL):3例、anaplastic astrocytoma(AA):3例、glioblastoma(GBM):4例で、性別は男性6例、女性6例、年齢中央値はgrade2:61.5歳、grade3:38歳、grade4:58.5歳であった。 これらの症例に対し、非造影領域の腫瘍を定位的に採取した。得られた合計28検体に対し、methylation specific PCR(MSP)を用い、MGMTメチル化率を計測した。また、定位的に採取した腫瘍組織と、各種画像モダリティーと空間的関連付けができるimage-histology libraryを用い、定位的に採取した組織部位に一致するMET-PETのT/N比を算出した。 解析の結果、MGMTのメチル化率とT/N比は回帰分析で相関性を示し(p=0.004、R=0.53)、T/N比からMGMTのメチル化率は予測できる可能性が示唆された。 MET-PETの取り込みはMGMTメチル化率だけではなく、細胞密度や血管密度など様々な要素が関わっており、それぞれの要素を慎重に評価する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在集積している症例に加え、さらなる症例を集積して解析を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
初発だけでなく、再発症例も含め、化学療法や放射線治療など治療の影響下においてもMET-PETや各種画像モダリティーからMGMTメチル化率の予想や他の遺伝子変異との相関性が認められるか検証していく。
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Causes of Carryover |
本研究は神経膠腫に対し、複数の画像から遺伝子変異ならびにDNAメチル化率の存在予測確立を統合的に解析する手法の確立を目的としている。研究の進行に従い、化学放射線治療後に再発した症例でも同手法が確立できるかの検証も必要となり、再発時まで含めると当初の予定より長期的解析が重要となった。今後さらに1年の経過を追加で解析していくため、当初の研究計画を変更する必要が生じた。また解析の進行により、再発症例も含めた新たな遺伝子解析が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子解析用のDNA抽出・シークエンスの試薬、免疫染色抗体、画像データ保存用ハードディスク、論文英文校正・論文印刷費、学会発表に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)