2016 Fiscal Year Research-status Report
進行膀胱癌に高発現するGPNMBを標的とした環状ペプチドの開発
Project/Area Number |
16K20124
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 友和 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10633191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環状ペプチド / 進行膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
環状ペプチドは生体への安全性が高く安定かつ低コストに作成できるため、既存の「抗体」に 替わる標識分子として注目されている。そして、未だ疾患特異マーカーや治療法として使用できる標的分子が見つかっていない進行膀胱癌の分野において、細胞膜タンパク質の GPNMB が、膀胱癌の臨床像や予後に関連し、浸潤能を制御していることを見出してきており、その進行膀胱癌で発現 している GPNMB に結合する環状ペプチドを作製し、蛍光色素などの標識付加による診断技術応用 の可能性や生細胞への影響を検討することを目的として研究を進めている。 膀胱癌に高発現する GPNMB を標的とした環状ペプチドの開発の初段階として、昨年度はペプチド同定のために必要である、GPNMB ならびに hemITAM 変異体のタンパク質抽出・精製を行ってきた。当初の予定通り、GPNMBならびに機能喪失点変異 GPNMB のタンパクを精製できた。 次にGPNMBに特異的に結合する結合環状ペプチドを探索するため、効率的な環状ペプチドの合成と目的のタンパク質に特異的に結合するペプチドのスクリーニングを一気に可能にする実験系 RAPID(random peptide integrated discovery)を用い、GPNMBに対するペプチド合成を行ってきた。現在までにいくつかの候補ペプチドが生成できたが、それらの結合能や安定性を検証している段階である。今後、免疫組織化学や増殖アッセイ、浸潤アッセイなどを行い評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の予定通りに進行しているが、生成するための技術が必要であること、膨大な数のペプチドをランダムに合成するため目標とする安定で結合能の高いものをとれる確率がまだ高くないことなどがあり、難航しつつある。しかしながら、目標へは着実に進んでいるため、今後も引き続き研究を遂行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
安定した結合能の高いペプチドが得られれば、標識付加ならびに生細胞への影響の検討を行うために、比較的分子量の小さいビオチンや化学合成蛍光色素などを環状ペプチドの SH 残基に結合させ標識し、既存の抗 GPNMB 抗体と比較検討する。 また、生細胞に対する影響を検討するため、生細胞に対する増殖や浸潤への作用、正常細胞や癌細胞への影響の差について、培養細胞やマウスの皮下移植モデル、膀胱癌同所性モデルを用いて検証する予定である。
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