2018 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of self-sampled HPV testing on participation in cervical cancer screening
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16K20199
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 修平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (50549590)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / 自己採取型HPV検査 / 受診率向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸癌発症の分子メカニズムの解明は、子宮頸癌の予防法、検診システムの確立、さらには新規治療法の開発につながる。その為には、HPV感染の疫学調査に基づくウイルス側要因と宿主側要因の双方からの総合アプローチが必要であると考えられる。五島市における、子宮頸がん検診の受診率向上に向けて、自己採取型HPV検査キット(以下、自己採取キット)の有用性について検討した。本研究は、子宮頸がん検診未受診者を全数把握している長崎県五島市の協力を得て実施された。 2014年度の子宮頸がん検診未受診者2,986例(20-49歳) のうち、249例は本研究に同意した。研究同意者は、無作為に受診勧奨のみ行う群(受診勧奨群:124例)と受診勧奨に加え自己採取キットを送付する群(自己採取 群:125例)に振り分けた。HPV検査の結果は、キット返送者へ郵送により通知された。2014年度の子宮頸がん検診未受診者について、2015年度の子宮頸がん検診受診およびキット返送の転帰を調査した。研究同意者におけるキット返送のみの例も含む子宮頸がん検診受診率は44.1% (110/249例)、一方、非同意者の子宮頸がん検診受診率は3.01% (80/2,737例)であった(p<0.01, z-test)。自己採取群におけるキット返送のみの例も含む子宮頸がん検診受診率は76% (95/125例)、受診勧奨群の子宮頸がん検診の受診率は13.7% (15/124例)であった(p<0.01, t-test)。自己採取群のうち、HPV陽性例は10例であり、HPV陽性例のうち、5例が子宮頸部細胞診希望し医療機関を受診した。そのうち1例は、細胞診でSCC、組織診で上皮内癌であり、円錐切除で加療された。自己採取型HPV-DNA検査は、子宮頸がん検診未受診者の検診受診率向上に有効と考えられた。本研究は今後、次世代シークエンス法を用いたexsome解析およびメチル化アレイ解析を行うことで、より詳細な子宮頸癌発症に関与する宿主側要因の同定に連なることが期待される。
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