2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病黄斑浮腫に対する閾値以下網膜光凝固術のレーザー設定値と分子メカニズムの探索
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16K20305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 章之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20724652)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病黄斑浮腫 / 閾値下網膜光凝固 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウサギ網膜を用いた、閾値下網膜光凝固(SLT)のレーザー設定値の決定。雄性23週齢のウサギを鎮静し、ミドリンP点眼にて散瞳後、ベノキシールにて点眼麻酔し、接眼レンズ(トランスエクエータ-、Volk社)を眼球にのせる。パターンスキャンレーザー装置Vixi MC-500(ニデック社)またはPascal(トプコン社)を用いて、ウサギ網膜光凝固を、各照射パワー(Vixi, Pascal : 30, 40, 50, 60, 80, 100 mW)(Pascal Endpoint 20, 30, 40, 50 , 60, 80 %)、各照射時間(10, 20 msec)において行う。直後に、RS-3000 advance(光干渉断層計OCT、optical coherence tomography)にてOCT(網膜断層写真)を撮影し、AFC-330(眼底撮影カメラ)にてカラー眼底撮影を行う。その後、2日間飼育したのち、凝固 斑の大きさ、深さとの関係を調べ、網膜視細胞が障害されないレーザー設定値を決定した。3D画像構築による疑似断層写真構築を行い、より正確な凝固斑の大きさ、深さの測定を行い、網膜視細胞に障害を起こすレーザー条件を求めた。 ヒト網膜色素上皮細胞細胞シートを用いた、SLTによるDME改善の機序と、関与するサイトカインの同定。ヒト網膜色素上皮細胞ARPE-19に対し、パターンスキャンレーザー装置Vixi MC-500を異なる条件で照射し、複数時間経過後のmRNAを回収し、各種サイトカインのqPCRを行ったが、各種条件間で発現量に差が見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウサギ網膜を用いた、閾値下網膜光凝固(SLT)のレーザー設定値の決定は論文投稿し、終了した。一方、ヒト網膜色素上皮細胞細胞シートへの閾値下凝固実験においては、レーザー設定条件、培養条件を変更して、各種サイトカインのqPCRを行ったが、各種条件間で発現量に差が見られず、新たな知見が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト網膜色素上皮細胞細胞シートへの閾値下凝固実験においては、レーザー設定条件、培養条件を検討し、他のサイトカイン、関連蛋白質についてもコントロールと閾値下凝固群で発現量に差がないか、検討してく予定である。
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Causes of Carryover |
ヒト網膜色素上皮細胞細胞シートへの閾値下凝固実験においては、レーザー設定条件、培養条件を変更して、各種サイトカインのqPCRを行ったが、各種条件間で発現量に差が見られず、追加実験に使用するための細胞株と使用するための試薬を未購入であるため。
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