2016 Fiscal Year Research-status Report
制御性T細胞のサブセットを用いた新規免疫抑制療法開発のための研究
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16K20332
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
猪俣 武範 順天堂大学, 医学部, 助教 (10645667)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 角膜移植 / 血管新生 / 誘導性制御性T細胞 / 内在性制御性T細胞 / CTLA-4 / IL-10 / TGF-β |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではレシピエント角膜に血管新生を誘導し、炎症を惹起したハイリスク角膜移植モデルを用いて、炎症環境下における誘導性制御性T細胞(pTreg)と内在性制御性T細胞(tTreg)の免疫抑制能ならびに安定性に関わる免疫抑制メカニズムを明らかにし、Tregのサブセットを用いた新規移植免疫寛容導入療法開発に向けた基盤となる研究を行う。 平成28年度は、(1)レシピエント角膜に炎症を惹起したハイリスク角膜移植モデルを作成し、(2)pTregとtTreg)の同定ならびにFoxp3の発現量を計測をする。免疫抑制メカニズムは(2)免疫抑制性分子の発現量ならびに(3)抑制性/炎症性サイトカインの発現量(real-timePCR)と分泌量(ELISA)の評価に取り組んだ。 (1) ハイリスク角膜移植モデルを作成し、ハイリスク角膜移植モデルにおけるレシピエント角膜の血管新生(CD31)、リンパ管(Lyve-1)新生の免疫染色を行い、血管/リンパ管新生の動態を検証した。ハイリスク角膜移植における血管新生は2峰性の血管新生の動態を示すことを明らかにした。一方でレシピエント角膜におけるリンパ管の新生はコントロール角膜移植では減退するのに対し、ハイリスク角膜移植では増加を保持することが明らかになった。 (2) ハイリスク角膜移植におけるレシピエント角膜の制御性T細胞の減少ならびにFoxp3の発現量の減少をフローサイトメトリーにて明らかにした。 (3) ハイリスク角膜移植の頸部リンパ節における誘導性制御性T細胞(pTreg)のCTLA-4の発現の低下をフローサイトメトリーにて明らかにした。また、pTregにおけるIL-10、TGF-βの分泌量の減少ならびにIFN-γの分泌量の増加をELISA法にて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の目的であった(1)レシピエント角膜に炎症を惹起したハイリスク角膜移植モデルを作成し、(2)誘導性Tregと内在性Tregの同定ならびにFoxp3の発現量を計測をする。免疫抑制メカニズムは(2)免疫抑制性分子の発現量ならびに(3)抑制性/炎症性サイトカインの発現量(real-timePCR)と分泌量(ELISA)の評価を行った。また、平成29年度に実施予定であった(4)免疫抑制能ならびに安定性と有効性の評価としてインビトロにおけるTregのT細胞増殖抑制アッセーをすでに開始し、ハイリスク角膜移植のレシピエントから採取した誘導性制御性T細胞の免疫抑制能の低下を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、免疫抑制能ならびに安定性と有効性の評価として(4)インビトロにおけるTregのT細胞増殖抑制アッセーと(5)インビボにおける制御性T細胞のadoptive transferによる角膜移植片の生存率の評価を行う。
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Causes of Carryover |
端数の誤差として次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、平成29年度に使用する。
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