2017 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌を基盤にしたimmunoparalysisの病態形成と治療法に関する検討
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16K20387
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 亜紗実 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80740448)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫麻痺 / 腸内細菌 / 敗血症 / CLPモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌が生体の免疫機能を調節して各種炎症性疾患の発症に関連することに着目し、敗血症急性期のSIRSから晩期のImmunoparalysisへ移行する際の腸内細菌の変動を解析し、腸内細菌を利用して低下した免疫機能を賦活できるかを検討するために以下の実験を行った。 ①盲腸結紮穿刺(CLP)敗血症モデルマウスでの腸内細菌の変動解析のためにCLPモデルマウスの作成を行った。 ②患者および正常人の便検体を採取した。 これらの予備実験で得られたサンプルをもちいて腸内細菌叢を次世代シークエンサーで解析し、腸内細菌の変動を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
盲腸結紮穿刺(CLP)敗血症モデルマウスの作成を完了した。 また、ICU患者での腸内細菌の変動解析のためのサンプル採取をおこなった。 そのためおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では患者の便を用いて「ICU入室患者の腸内細菌のメタゲノム解析を行い、Immunoparalysisの原因となる腸内細菌を同定する」予定であった。しかし、腸内細菌(患者の便)の解析の問題点は、患者の敗血症に至った原因が不均一で、さらに便の採取は多くの細菌叢から形成されるという問題点をもち、そのため情報解析にかかる計算機コストや多くの時間を費やす可能性が危惧された。 そこで今後の研究の推進方策としては、よりサンプル採取が容易な腸内細菌以外のサンプル(例えば、唾液など腸内細菌叢との連続性をもつサンプルを利用する)を考慮することでこれらの問題点を克服して得られた細菌叢を次世代シークエンサーで解析し、腸内細菌の変動を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
産休のためin silico解析が研究のメインテーマであったため次年度使用額が0より大きくなった。今後はin vivoの研究がメインとなり、実験試薬と動物の飼育費用に研究費を充てる予定。
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[Journal Article] Tocilizumab for uncontrollable systemic inflammatory response syndrome complicating adult-onset Still disease: Case report and review of literature.2017
Author(s)
Masui-Ito A, Okamoto R, Ikejiri K, Fujimoto M, Tanimura M, Nakamori S, Murata T, Ishikawa E, Yamada N, Imai H, Ito M.
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Journal Title
Medicine (Baltimore)
Volume: 96(29)
Pages: e7596
DOI
Peer Reviewed / Open Access