2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of spatio-temporal controlling mechanism in cartilage development by small G protein Rac1
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16K20426
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 大 昭和大学, 歯学部, 講師 (00585797)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Rac1 / 軟骨細胞 / 未分化間葉系細胞 / コンディショナルノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
Rac1はRhoファミリーに属する低分子量Gタンパク質の一つで、細胞の様々な機能を制御している。申請者は軟骨形成におけるRac1の機能解析を目的とし軟骨細胞または肢芽未分化間葉系細胞特異的にRac1遺伝子を欠損させたマウス(Rac1fl/fl;Col2-CreおよびRac1fl/fl;Prx1-Cre)を作成した。その結果、Rac1は生体内における軟骨形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなったが、興味深いことにRac1fl/fl;Col2-Creマウスとの軟骨形態異常は大きく異なるものであった。最終年度となる平成29年度は、この軟骨形態異常を回復できるか検討するために、それぞれの組織特異的Rac1遺伝子欠損マウスに恒常活性型Rac1が過剰発現するマウスを交配させ、その解析を行った。その結果、恒常活性型Rac1が過剰発現するマウスを交配させたマウスはRac1fl/fl;Col2-CreマウスとRac1fl/fl;Prx1-Creマウスと比較し、それぞれの軟骨形態異常を有意に回復することが明らかとなった。また、それに伴って長管骨の短縮および体重の低下も回復されることがわかった。しかし、コントロールマウス(Rac1fl/fl)と比較すると、成長板軟骨細胞の柱状配列の乱れや体重の低下などは残り、組織特異的Rac1遺伝子欠損マウスで見られた異常が完全に回復されることはなかった。異常が完全に回復されなかった原因に関しては、Rac1の発現量に起因するものなのか、不活性型のRac1も軟骨形成に対して重要な機能を有しているのかなど、いくつか推察されるが、その詳細は今後の検討課題である。
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