2017 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of Microstructures and Compositions to the Mechanical Properties of Human Dentin
Project/Area Number |
16K20454
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新野 侑子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80736249)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 歯学 / 象牙質 / ハイドロキシアパタイト / コラーゲン / 構造パラメータ / 材質パラメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 象牙質における代表的な構造パラメータである象牙細管方向を規定した試料において,材質パラメータのうちコラーゲン中の老化架橋 (ペントシジン) 含有量, ハイドロキシアパタイトのc軸配向性, およびコラーゲン/ミネラル比と, 疲労破壊抵抗性との関連を明らかにすることによって, これらの構造および材質パラメータが象牙質の強度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 疲労破壊試験は現在進行中であるため, 疲労破壊試験に先立ち行った3点曲げ試験の結果を, 構造パラメータおよび材質パラメータとの関連を評価をした. 材質パラメータとしてのハイドロキシアパタイトのc軸配向性の評価では, 透過型微小領域X線回折装置を用いて5分間の回折データを採取した結果, 象牙細管の走行に対して垂直な方向の積分強度比が有意に大きいことがわかった. つまり, 象牙細管の走行に対して垂直にアパタイト結晶のc軸が有意に配向しているという特徴が認められた.アパタイト配向性が強いものほど、曲げ強さも大きい傾向にあることがわかった. フーリエ変換赤外線分光法では, 材質パラメータとして歯冠部および歯根部のコラーゲン/ミネラル比を得られた赤外線吸収スペクトルからamideⅠ(コラーゲン)およびリン酸基(ミネラル)のピーク比から計測したところ, コラーゲン/ミネラル比と年齢との間に相関は認められなかった. 高速液体クロマトグラフィーによるペントシジン量の定量結果では、ペントシジンはとくに歯冠部において年齢とともに増加する傾向にあった. 歯冠部歯根部ともに老化架橋であるペントシジンが多い程、曲げ強さが低下する傾向が見られた。
|
Research Products
(2 results)