2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔内圧測定を用いた吸引・嚥下能力診断システムの確立-安全な摂食嚥下を目指して-
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16K20502
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三分一 恵里 (深田恵里) 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (10758238)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔内圧力変化 / 口腔内圧測定装置 / 最大吸引力 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベッドサイドや在宅環境でも容易に測定できる新たな口腔機能評価法として、吸引・嚥下時の口腔内圧変化に着目し、測定装置の作製を行っている。試作した口腔内圧測定装置を用いて、成人女性114名の最大吸引力を測定した結果、若年者群-37.9±13.0kPa、高齢者群-32.2±11.7kPaであり、再現性も良好であった。しかし、個人差が大きく、各年代の基準値の設定を行うためには、今後さらに多数のサンプルを取得し、解析を行うことが必要である。しかし、現在の装置は大型で持ち運びが難しく、様々なフィールドで測定を行うことは困難である。 そこで、呉工業高等専門学校電気情報工学科と協力し、小型のマイコンモジュールであるArduinoと気圧センサなどを組み合わせて、既存の口腔内圧測定装置にかわる小型で安価な測定装置の試作を実施した。 現行の装置は、センサーにデジタルオシロスコープとPCを接続し、波形をPC上に表示しているが、小型化した装置では、ディスプレイを一体型とし、ワンボード化するために、マイコンのみを基盤に実装した。試作した装置を用いて圧力変化の測定が可能であるかを評価したところ、吸引時に気圧変化が生じていることが確認されたが、試作した装置は1.8インチディスレイで波形が見づらく、また測定点が少ないため、吸引時の圧力変化を十分に測定することが困難であった。 今後は、ディスプレイサイズを大きくし、また、変数保存用メモリとして外付けメモリを増やすなどで改良を実施するとともに、さらなるデータの蓄積を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試作した口腔内圧測定装置を用いてより多くのデータ採取を行うことを計画しているが、装置の小型化および測定方法の標準化に時間を要しており、十分なデータ採取が実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
装置の小型化については、ディスプレイの変更やメモリの改良を実施し、口腔内圧測定装置として吸引・嚥下時の口腔内圧変化の測定が実施可能であるかを検討していく。 また、既存の装置では、吸引時の圧力変化について測定方法を検討し、さらに対象を拡大していく。嚥下時の口腔内圧力変化は、測定可能な場合と測定が困難である場合があるため、測定が困難であった対象者について、詳細な検討を行い、嚥下時口腔内圧力変化に影響を及ぼしている要因について解析を行う。
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Causes of Carryover |
試作装置を多数作成してサンプル採取を実施する予定であったが、測定方法の標準化に時間を要しており、多数のサンプル採取には至っていないことに加え、既に購入していた測定器具等も多く、購入の必要がなかったため。また、装置を小型化する場合は、現行のものに比べて費用がかからなかったため。 職場の異動に伴い、測定場所が増えるため、測定機器やPC等をさらに充実させる必要があり、次年度は測定装置に関わる機器を購入する予定である。また、現在使用しているカメラでは、口腔内のプローブの設置位置等を上手く撮影できないため、解析を十分に行うために、高機能カメラを購入する。
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