2016 Fiscal Year Research-status Report
脱分化脂肪細胞(DFAT)由来サイトカインカクテルを用いた新規骨再生療法の開発
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16K20541
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
篠原 敬哉 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30761647)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DFAT / BMP-9 / 骨再生 / 歯周病 / ADSC |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、口腔内疾患により失われた歯周・顎骨組織を再生させる手段がTissue engineering の3 要素を基盤に研究されている。その中で重要な役割を担う成長因子は、細胞を制御する必須の因子であり、様々な種類が検討されているが、決定的な物はいまだ存在せず、単一の成長因子では細胞の遊走・増殖・分化を十分にコントロール出来ないと考えられる。そこで本研究では、様々な液性因子を含むサイトカインカクテルとして、多分化能を持つ組織幹細胞の一つである脱分化脂肪細胞(de-differentiated fat cell: DFAT)の培養上清に着目し、DFAT培養上清の骨形成能を網羅的に解析し、安全、効率的かつ予知性の高い理想的な骨再生療法の基盤確立を行うことを目的としている。 1.in vitro実験系によるラット脱分化脂肪細胞(DFAT)とラット脂肪由来幹細胞(ADSC)へのBMP-9+FK506の作用 Wistar系ラットの鼠径部より分離・培養したラット脱分化脂肪細胞(DFAT)とラット脂肪由来幹細胞(ADSC)を用いて、BMP-9+FK506が骨芽細胞様分化に与える影響について、BMP-2+FK506と比較して検討を行った。現在までにALP染色、ALP活性により、ラットDFAT、ラットADSCの両細胞においてBMP-2+FK506で刺激した時よりも、BMP-9+FK506で刺激した方が有意に促進することを確認した。 2.ラット頭蓋骨欠損モデルを用いたin vivo実験系によるラットDFAT培養上清の骨形成能の放射線学的解析 当教室において確立しているラット頭蓋骨欠損モデルにおいて、BMP-9+FK506刺激ラットDFAT培養上清の骨形成能について、無刺激ラットDFAT培養上清と比較して検討を行った。現在までに、マイクロCTにて放射線学的解析を行ったところ、BMP-9+FK506刺激ラットDFATの方がやや優位に骨形成が促進されていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、概ね順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.in vitro実験系によるラットADSCへのBMP-9+FK506の作用 ラットADSCにおける各種BMP受容体軍の遺伝子発現、石灰化物形成、骨関連因子(Runx2, ID-1, Osterix, Osteopontin, Bone sialoprotein)の遺伝子発現の解析 2.ラット頭蓋骨欠損モデルを用いたin vivo実験系によるラットDFATとBMP-9等の種々の成長因子との組み合わせにおける骨形成能の放射線学的・組織学的解析
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Causes of Carryover |
当該年度に行う実験に使用する試薬の一部に関して、当教室で保存されていた試薬にて一部対応できたため。 当該年度に参加予定だった学会に次年度参加することになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施計画どおりの内容で問題なく執行予定である。
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