2016 Fiscal Year Research-status Report
血小板凝集能を持つ新規複合材料の歯周組織再生療法への応用
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16K20550
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
木村 大輔 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (30632054)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯槽骨再生 / αTCP |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病などによって生じた重度の垂直性骨吸収を治療するために様々な骨補填材料やエムドゲインなどの成長因子を用いた治療が行われているが、スペースメイキングや移植材の残存など課題も多く存在する。そこで申請者は長期にわたり再生の足場を提供し、また移植材自身もPRP効果を持つ人工コラーゲンとαTCPスポンジを組み合わせて新たな骨再生材料を開発することが本研究の目的である。プロリン(P)-ヒドロキシプロリン(H)-グリシン(G)からトリペプチドを作製後、縮重合を行い1%Poly(PHG)ゲル水溶液を作製した。凍結乾燥後に熱架橋を行い複合体を完成させた。ゲル水溶液に対するα-TCP粉末の混合比と粉末位径について検討を行った。その結果、100-200μm群と700-1000μm群を重量比1:1で混和したものが移植を行う上で最も優れているという知見を得た。また、エックス線回析によって組成を調べた結果、αTCPがハイドロキシアパタイトに転化していないことも明らかとなった。 ラットの頭蓋骨の中心に直径9mm、深さが1mmとなるようなクリティカルサイズの骨欠損を形成し、複合体を移植し、2,4,8週後にマイクロCTおよび病理組織学的手法でHE染色にて観察を行った。その結果、マイクロフォーカスCTから得られた骨体積と骨塩量は人工コラーゲン単独のスポンジに比較して有意に高い値を示した。またHE染色の結果、4週までは人工コラーゲンが残存し8週ではαTCPは吸収され成熟した骨組織に置換されていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合体作成と小動物における実験が終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験により判明した複合体条件で試料を作成する。その後、イヌ下顎骨欠損モデルもしくは脛骨骨欠損モデル、ウサギの頭蓋骨欠損モデルを用いた移植実験を行う。前回の実験と同様にマイクロフォーカスエックス線CTによる骨再生評価と病理組織学的な評価も行う。
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Causes of Carryover |
複合体のin vitro評価を完了させることができておらず、それら実験に関する費用を使用していないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度はビーグル犬などの実験動物、病理組織学的評価の費用に充填したい。
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