2017 Fiscal Year Annual Research Report
Premetastatic niche formation by circulating tumor endothelial cells
Project/Area Number |
16K20554
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 奈湖 (間石奈湖) 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00632423)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腫瘍血管新生 / 腫瘍血管内皮細胞 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの転移に先立ち,転移先臓器においてがん細胞が転移しやすい環境,前転移ニッチが形成されることが報告されている.前転移ニッチ形成には,がん細胞が産生する因子や,がん間質を構成する線維芽細胞,骨髄由来細胞などが関与するという報告がある.一方で,腫瘍血管を裏打ちする腫瘍血管内皮細胞は,循環腫瘍血管内皮細胞として血液中に循環していることが知られている.本研究ではこれまで得られてきた腫瘍血管内皮細胞の異常性に関する知見をふまえ,循環腫瘍血管内皮細胞が転移に関与する可能性を検討した.昨年度は,正常および腫瘍血管内皮細胞をマウスの尾静脈から注入し,腫瘍血管内皮細胞のみが肺へ生着することを観察した.腫瘍血管内皮細胞が原発巣から転移先臓器に飛んで生着するかどうかを評価するため,GFPマウスの皮膚を野生型マウスに移植し,その移植皮膚下に腫瘍細胞を移植した.しかし,移植片に免疫反応が惹起されて組織内はネクローシスになった.今年度は胸腺欠損ヌードマウスを用いて同様の実験を試みたところ,皮膚の生着に成功した.そこで,GFP皮膚移植マウスの皮下に腫瘍細胞を移植し,腫瘍形成後に血液を採取し,CTC chipデバイスを用いて血液中のGFP細胞の分離を試みた.血液中にGFP陽性細胞は検出されたものの,血管内皮細胞由来ではなかった.前転移ニッチ形成に循環血管内皮細胞が関与しているかどうかは,転移前のステージで評価しなければならない.今回の血液循環中の細胞は,転移形成時期に解析したため,さらに早期に検討する必要があった.現在,腫瘍移植後の日数と転移形成時期をin vivo imaging装置IVIS Spectrumを用いて検討し,最適な時期を検討しているところである.今後,転移前の時期に同様に検討し,循環血管内皮細胞による転移促進機序を明らかにしたい.
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[Journal Article] Vasohibin-1 as a novel prognostic factor for head and neck squamous cell carcinoma2017
Author(s)
Torii C., Hida Y., Shindoh M., Akiyama K., Ohga N., Maishi N., Ohiro Y., Ono M., Totsuka Y., Kitagawa Y., Tei K., Sato Y., *Hida K
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Journal Title
Anticancer Res
Volume: 37(3)
Pages: 1219-1225
Peer Reviewed
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[Presentation] 高転移性腫瘍miRによる血管内皮における薬剤耐性誘導2017
Author(s)
間石奈湖, 鳥居ちさほ, 川本泰輔, 森本真弘, 秋山廣輔, 吉岡祐亮, Alam Mohammad Towfik, 南 敬, 落谷孝広, 樋田泰浩, 樋田京子
Organizer
第26回日本がん転移学会学術集会
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[Presentation] 尿路上皮癌における抗癌剤治療後の腫瘍血管ABCB1発現亢進2017
Author(s)
菊地 央, 間石奈湖, 秋山廣輔, 森本真弘, 土屋邦彦, 丸山 覚, 安部崇重, 樋田 泰浩, 原林 透, 飴田 要, 松本隆児, 柏木 明, 松野吉宏, 篠原信雄, 樋田京子
Organizer
第26回日本がん転移学会学術集会
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