2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K20699
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
村上 浩史 昭和大学, 歯学部, 助教 (30756739)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋肉量 / 基礎代謝量 / 口腔機能 / 咀嚼機能 / 口腔乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本は高齢化率25%を超える世界有数の長寿国家であり、これまで高齢者に関する調査研究は数多く行われてきた。その中でも高齢者が健康障害に陥りやすい状態をさす概念としてフレイルティ(虚弱)が注目されている。また、フレイルティの中核をなすサルコペニアは加齢に伴う筋肉量の減少から、筋力や運動機能の低下、さらには低栄養状態を誘導する病態であり、その診断基準の確立と共に、全身疾患、口腔機能、栄養状態との関連が明らかにされつつある。 本研究では、推定式による基礎代謝量測定ではなく電気インピーダンス法と呼吸測定によって測定された個人の正確な基礎代謝量と全身の筋肉量や口腔機能との関係性を解析することで、フレイルティやサルコペニアと口腔機能との関連を明らかにすることを目的としている。 健康成人ボランティアを対象に、当部門が所有する体成分分析装置(InBodyS10;Biospace社製)を用いて、筋肉量、基礎代謝量を測定し、メタボリックアナライザー(MedGem;Health etech社製)を用いて安静時代謝量を測定する。口腔機能に関しては基本チェックリストを用いた判定を行うと同時に、咀嚼機能に関しては色変わりガム(キシリトールガム咀嚼力判定用;LOTTE社製)、嚥下機能に関しては改訂水飲みテスト(MWST:Modified Water Swallowing Test)、口腔乾燥に関しては口腔水分計(ムーカス;ライフ社製)を用いて判定する。ヒトを用いた研究であるため、研究に先立って昭和大学歯学部医の倫理委員会へ研究計画を提出し、本学倫理委員会の承認を得てから研究を開始する予定であったが、本学倫理委員会の諸規定の変更に伴い、提出が遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
健康成人ボランティアを対象に、当部門が所有する体成分分析装置(InBodyS10;Biospace社製)を用いて、筋肉量、基礎代謝量を測定する。また、メタボリックアナライザー(MedGem;Health etech社製)を用いて安静時代謝量を測定する。口腔機能に関しては基本チェックリストを用いた判定を行うと同時に、咀嚼機能に関しては色変わりガム(キシリトールガム咀嚼力判定用; LOTTE社製)、嚥下機能に関しては改訂水飲みテスト(MWST:Modified Water Swallowing Test)、口腔乾燥に関しては口腔水分計(ムーカス;ライフ社製)を用いて判定する予定であったが、被験者の公募が出来ず、本学倫理委員会への提出が遅れている。 本年度は第33回一般社団法人日本障害者歯科学会総会およ学術大会と第22回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会へ参加し、基本チェックリストや体組成の評価方法などを行っている他研究の成果を収集するに留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボリックアナライザーによる基礎代謝量測定値と電気インピーダンス法による基礎代謝量、筋肉量測定値の整合性を明らかにし、それらと咀嚼機能、嚥下機能、口腔内状態との関係性を考察する。 1)健康成人ボランティアに対する基礎代謝量と筋肉量、口腔機能の関連性:咀嚼機能検査、嚥下機能検査、口腔内診査を行い、メタボリックアナライザーによる基礎代謝量測定値と電気インピーダンス法による四肢筋肉量測定値との関連性を解析する。 2)65歳以上の健康成人ボランティアに対する基礎代謝量と筋肉量、口腔機能の関連性:咀嚼機能検査、嚥下機能検査、口腔内診査を行い、メタボリックアナライザーによる基礎代謝量測定値と電気インピーダンス法による四肢筋肉量測定値との関連性を解析する。 まずは本学倫理員会諸規定に合わせて書類を提出し、健康成人ボランティアでの実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
倫理委員会の書類提出遅れにより、予定していた実験を行うことが出来なかったため、研究協力者に支払う予定の謝金や人件費が計上されなかった。また、購入物品のメタボリックアナライザー(MedGem;Health etech社製)購入の際に予想以上の割引が生じたため、上記の差額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費・謝金に関しては遅れが生じている実験の人件費・謝金に適正に利用する予定である。物品購入時に発生した差額に関しては消耗品の購入もしくは返金を行う。
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