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2016 Fiscal Year Research-status Report

高齢者における笑気吸入時の疼痛性昇圧応答抑制に関する末梢血管抵抗の影響

Research Project

Project/Area Number 16K20705
Research InstitutionMatsumoto Dental University

Principal Investigator

磯野 員達  松本歯科大学, 歯学部, 助手 (10646590)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords歯科治療偶発症 / 疼痛性昇圧応答 / 笑気吸入鎮静法 / 筋交感神経活動 / 交感神経性圧受容器反射感受性
Outline of Annual Research Achievements

高齢者の歯科治療に起因する脳血管疾患・心血管疾患の偶発症予防を目的とし、笑気吸入は疼痛時昇圧応答を抑制するか、抑制される場合その機序は末梢血管収縮の減弱を介して起こるか否かを明らかにする:平成28年度は対象群である健常成人10名[31±2歳]に対し実験を実施した。健常成人では寒冷疼痛刺激時に40%笑気吸入で室内大気吸入と比較して昇圧応答の抑制がみられ、同時に末梢血管収縮を調節する筋交感神経活動指標においても上昇の抑制が確認された。また心拍数は上昇の抑制がみられたが心拍出量には変化がなかったことから、笑気吸入による疼痛時昇圧応答抑制は末梢血管収縮の減弱により依存することが考えられた。さらに、笑気吸入時の交感神経性圧受容器反射感受性を解析したところ感受性の低下はみられず維持されているという結果から、健常成人における笑気吸入は交感神経性圧受容器反射感受性に影響しないことが示唆され、笑気吸入の安全性の確立の一助になると考えられた。この笑気吸入の交感神経性圧受容器反射感受性への影響についての結果は2016年に第33回日本障害者歯科学会学術大会にて報告を行った(磯野員達、岡田芳幸、他:笑気吸入鎮静による圧受容器感受性の影響、障歯誌、37 第3号:241、2016 会議録)。しかしながら、これらの結果は高齢者においても同様もしくは類似した結果となることが予測されるものの高齢被験者は現在、公募中であり、高齢者を対象とした実験は未実施であり、今後実施予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

筋交感神経活動の計測を行うための方法であるマイクロニューログラフィーの実施に必要な機材を取り揃え、現在実験が実施可能な状況であり、健常成人においてパイロット調査としての予備実験を実施し、筋交感神経活動の計測及び1回拍出量、心拍数から得られた心拍出量の解析に成功した。さらに対象群として健常成人を被験者として実験を継続中であり、寒冷疼痛刺激時に40%笑気吸入で室内大気吸入と比較して昇圧応答の抑制がみられ、同時に末梢血管収縮を調節する筋交感神経活動指標においても上昇の抑制が確認された。また心拍数は上昇の抑制がみられたが心拍出量には変化がなかったことから、笑気吸入による疼痛時昇圧応答抑制は末梢血管収縮の減弱により依存することが考えられた。さらに、笑気吸入時の交感神経性圧受容器反射感受性を解析したところ感受性の低下はみられず維持されているという結果から、健常成人における笑気吸入は交感神経性圧受容器反射感受性に影響しないことが示唆され、笑気吸入の安全性の確立の一助になると考えられた。この笑気吸入の交感神経性圧受容器反射感受性への影響についての結果は2016年に第33回日本障害者歯科学会学術大会にて報告を行った(磯野員達、岡田芳幸、他:笑気吸入鎮静による圧受容器感受性の影響、障歯誌、37 第3号:241、2016 会議録)。同時に、被験者としての高齢者の公募は松本歯科大学ホームページ上で公募中である。しかしながら、現在、公募条件(65歳以上から75歳未満の男性:正常血圧もしくはⅠ度高血圧もしくは基礎疾患・投薬治療がない方)を満たした高齢被験者の獲得には至っておらず、高齢被験者での実験は未実施である。

Strategy for Future Research Activity

現在までに健常成人での研究データの採取には成功しているが、高齢者での研究データの採取には至っていない。今後、研究を推進する上で高齢被験者の確保の必要性がある。研究代表者は現在、松本歯科大学ホームページ上で高齢者を対象とした被験者を公募中である。さらに今後、本大学が所属する地域での連携可能な歯科施設・医院でも高齢被験者の公募を委託し実施する予定である。また、市立文化施設等での高齢者を対象とした歯科医療関連の講演会・勉強会等に出向し高齢被験者の公募を実施する予定である。

Causes of Carryover

現在、高齢者を対象とした被験者を公募中であり、実験が未実施であるため、謝金及び実験に必要な消耗品を未購入であるため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

被験者は実験室に赴き実験遂行に協力していただくが、その謝金が必要となる。また、実験中に筋交感神経活動の計測に使用する消耗品であるタングステン針電極及び、皮膚表面に貼付する表面電極を購入予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Effects of nitrous oxide sedation on sympathetic baroreflex sensitivity2017

    • Author(s)
      Kazushige Isono, Yoshiyuki Okada, Tatsuhisa Mitsui,Yuji Masuda, Tadashi Ogasawara
    • Organizer
      Experimental Biology 2017
    • Place of Presentation
      McCormick Convention Center(Chicago)
    • Year and Date
      2017-04-22 – 2017-04-26
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 笑気吸入鎮静による圧反射感受性への影響2016

    • Author(s)
      磯野員達, 岡田芳幸, 三井達久, 高井経之, 蓜島弘之, 小笠原 正
    • Organizer
      日本障害者歯科学会
    • Place of Presentation
      大宮ソニックシティ(玉県さいたま市)
    • Year and Date
      2016-10-01 – 2016-10-02
  • [Presentation] 笑気吸入鎮静は圧受容器反射感受性を維持する2016

    • Author(s)
      磯野員達, 岡田芳幸, 三井達久, 小笠原 正
    • Organizer
      中部歯科麻酔研究会
    • Place of Presentation
      松本歯科大学(長野県塩尻市)
    • Year and Date
      2016-06-25

URL: 

Published: 2018-01-16  

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