2016 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニア概念を参考にした高齢者口腔機能低下モデルの検討に関する調査研究
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16K20708
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
村上 正治 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10752016)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サルコペニア / 口腔機能 / 摂食・嚥下障害 / 低栄養 / 地域在住高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)地域在住高齢者を対象とした調査の実施 東京都健康長寿医療センター研究所が主催する健康調査事業に参加している東京都板橋区在住の65歳以上の高齢者を対象に実態調査を行った。老年症候群の早期発見、早期治療のための包括的健診の案内を郵送し、東京都板橋区内の9つの町丁目在住の65歳~85歳の男女に、施設入居者と過去の当研究における介入研究等参加者を除いた約7,000名に対し行われた。このうち約1300名から参加希望があり、実際の来場者は約700名であった。調査項目は1. 口腔関連項目:現在歯数、機能歯数、咬合力、咀嚼機能、咬筋・側頭筋触診、超音波による咬筋の厚み計測、咬筋の高さと横幅の測定、口腔機能スクリーニング検査(水飲みテスト、反復唾液嚥下テストなど)、口腔清掃状態。2. 身体機能検査:通常歩行速度、握力。3. 身体組成:身長、体重、四肢骨格筋量。4. 認知機能検査。5. うつ尺度。6. 生活機能:老研式活動能力指標、基本チェックリスト。7. 栄養指標:採血データ、食品多様性スコア、簡易栄養状態評価を用いた。
(2)実際の臨床現場に即した調査項目の選定 今回、行った調査項目をもとに高齢者口腔機能低下モデルによる口腔機能低下と、他の項目との関連性の検討を行った。また都市部在住高齢者だけでは対象者の選定に偏りが考えられたため、加えて地方在住の高齢者についても調査を行った。更に臨床でも応用できるような、より簡便な口腔関連項目を用いて高齢者口腔機能低下モデルを評価できるか、評価項目の再検討をおこなうための意見交換を、実際に臨床を行っている歯科医師や歯科衛生士と行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、研究対象とした調査は毎年、東京都健康長寿医療センター研究所が主催して行っているものであり、例年通り実施された。高齢者口腔機能低下モデル作成のために臨床応用しやすい検査項目の選定の意見交換を行った。実際の選定については翌年以降の調査でも追加の資料を集めた後で再度検討となったため選定に至っていないが、全体を通してはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に引き続き調査を継続し、統計学的手法を用い調査内容の検討と問題点の検出を行い、より簡便に計測できる高齢者口腔機能低下モデル項目の選定を行っていく。また前年度に来場した対象者の中から、高齢者口腔機能低下モデルによって口腔機能低下と判定されたものの摂食嚥下障害や栄養状態低下の経年変化を観察・検証する。更にこれらの研究内容の実施状況を学会等で発表を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、全身の運動機能と口腔関連項目の測定を行い、横断における高齢者口腔機能低下モデルの有病率と関連因子の検討に関する意見交換を行った。ただ調査員の確保が困難であり、当初予定していた人員よりも少ない人数で調査を行ったため、平成28年度の使用額が予定額に到達せず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、調査を実施するための物品の購入、調査員の人件費、交通費への使用と、また研究成果を学会等に発表も検討しており、旅費などに研究費利用を検討している。
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Research Products
(5 results)