2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K20730
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
廣瀬 美和 (堀内美和) 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (90381714)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NIRS / 脳血流 / 計算 / 姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、体位の差と思考中の両側面からの研究により、脳血流量がどのように変動するのか客観的に捉えることを目的に、近赤外線組織酸素モニタ装置を使用して座位姿勢から立位への姿勢変化、計算課題実施中の脳血流量の計測を実施した。2017年12月から2018年1月にかけて8名の男子学生を対象に体位の差と計算課題における脳血流量を計測した。 座位姿勢から立位への姿勢変化において脳血流量が一過性に減少し直ちに回復することが確かめられた。また、計算課題の実験は6名に実施したところ、計算開始とともに一過性に脳血流量は上昇した。座位から立位への姿勢変化の脳血流量は、10分座位姿勢の後に1分起立をした場合には、12~13秒で脳血流量が最低値となり直ちに回復した。さらに、0.1Hzでの座位と立位の姿勢変化では、姿勢変化中の脳血流量の変動はあるものの、姿勢変化前後の平均値に差はなかった。計算課題の脳血流量は、計算開始前の1分を基準として、計算中はCH1(左側)は0.104±0.04、CH2(右側)は0.079±0.036に上昇し、計算終了後1分ではCH1は0.059±0.027に、CH2は0.069±0.024に減少した。左右差を検討したところ個人差がみられた。計算実施後の対象者の主観では「面白かった」「くやしい」「頭をつかった」などと課題に対して感情を表す発言がみられた対象者がおり、その対象者を脳血流量のデータと照らし合わせたところ、発言がなかった対象者と比べて、発言があった対象者の方が脳血流量の明らかな上昇が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度は情動変化まで捉えることを目標にしてたが、8例の姿勢変化と計算課題の実験のみで終えている。姿勢変化は脳血流量の動作確認を行うことができたため目的を達成したが、計算課題時の脳血流量の変化では、8例のデータ収集で終わってしまった。計算後の主観と比較した脳血流量の解析を行うことを考えていたが対象者を増やすことができず、2018年度に継続して実験を行う必要性がうまれた。
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Strategy for Future Research Activity |
主観により脳血流量の波形パターン化が行える示唆を得ることができたため、前年度から引き続き実験を行い、思考させる実験前後の主観調査をPOMSとSTAIによる尺度を用いてデータをとり、脳血流量の波形と比較しながら解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は近赤外線酸素モニタ装置を購入して実験を開始したが、対象者数が少なく人件費と謝金の支出が少なかった。2018年度は対象者の数を増やして実験を行い解析してく予定である。
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