2016 Fiscal Year Research-status Report
神経膠腫患者の生活プロセスから導く支援プログラムの開発
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16K20780
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
天野 功士 同志社女子大学, 看護学部, 助手 (40756194)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 生活 / 調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経膠腫患者が、退院後に自分らしい生活を調整していく過程を明らかにし、患者のニーズのもとに「自分らしい生活を送るための支援プログラム」を開発することを目的としている。平成28年度は神経膠腫患者の退院後の生活体験についての研究の動向を把握するために文献検討を行った。また、神経膠腫患者の生活の調整に関するデータ収集を行った。 神経膠腫患者の退院後の生活体験に関する文献検討を試みたが、神経膠腫患者に関する文献が少ない現状があった。そこで、がん患者の生活の再構築・再編成・調整に関する文献検討により、得られた知見から神経膠腫患者の生活の調整過程の手がかりを得ることとした。 がん患者の生活の再構築・再編成・調整に関する12件の文献を整理した結果、がん患者は生活の再構築過程において、【がんの現実から逃れられない辛さ】【生活に支障をきたすほどの身体不快症状】【身体機能の変化に伴うアイデンティティのゆらぎ】【症状持続に伴う役割遂行の困難】【がん罹患前の生活に戻れないもどかしさ】【周囲との関係性の隔たり】という課題に直面していることが明らかとなった。また、生活の再構築に向けて【がんに伴うネガティブな感情を調節する】【がんを肯定的に受け止める】【回復への希望を持つ】【自分に合った対処法を見出し遂行する】【周囲のサポートを取り入れる】という取り組みを行っていた。したがって、生活の再構築を促す支援として、がん患者の思いを理解し、その思いに寄り添いつつがんに立ち向かう力を引き出す支援や自分に合った対処方法を見い出す支援、必要な支援を受けられるようにサポート体制を調整する支援が必要であると明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん患者の生活の再構築過程において直面する課題と取り組みに関する文献検討を終え、現在は次のステップである「初発神経膠腫患者の生活の調整過程」の研究に取り組んでいる。研究協力施設に協力を依頼し、神経膠腫患者を紹介してもらい、データ収集中である。
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Strategy for Future Research Activity |
「初発神経膠腫患者の生活の調整過程」において、対象者数10名を目標としており、目標人数に到達しない場合は、他の研究協力施設に協力を依頼する予定である。データ分析過程においては、がん看護学の専門家からのスーパーバイズを受け分析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度予定していたデータ収集において、近隣の施設と遠方の施設からのデータ収集を予定していたが、今年度は近隣の研究施設でのデータ収集が主であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は遠方の研究施設でのデータ収集があるため、旅費として使用する予定である。
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