2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a Support Program Derived from the Life Adjustment of Glioma Patients
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16K20780
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
天野 功士 同志社女子大学, 看護学部, 助手 (40756194)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 生活 / 調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経膠腫患者が退院後に自分らしい生活を調整していく過程を明らかにし、患者のニーズに基づいた「自分らしい生活を送るための支援プログラム」を開発することを目的としている。平成30年度は、29年度に引き続き得られたデータの分析を行い、データに基づきストーリーラインを再考した。その結果、経口抗がん剤を継続している初発神経膠腫患者の生活調整過程は、《猶予のない状況の中での自分らしい生き方への試行錯誤》をコアカテゴリーとする過程であった。患者は開頭腫瘍摘出術後に神経膠腫と診断され医師から告知を受けると、【自分の存在を脅かす病気の正体を探る】ことを始め、【病気と障害を併せ持つ不確かな生活のイメージ化】をして、【自分の力量に合わせた方法の試行錯誤】をしていた。試行錯誤において、自分の思うようにならないと【思っていた以上に不自由な生活に自信を失う】が、【変えられない現実を仕方がないと諦観する】ことで気持ちの安定化を図っていた。一方では、【機能の向上により回復意欲が高まる】と、更なる機能回復に向けた試行錯誤を重ね、【限られた命の中で自分の思うような生き方をする】ことで、生活調整をしていた。また、機能障害や苦痛症状がほとんどない者は、【自分の存在を脅かす病気の正体を探る】と、【変えられない現実を仕方がないと諦観する】という対処をして、【限られた命の中で自分の思うような生き方をする】という過程を経ていた。看護援助としては、患者がイメージする退院後の生活と実際の生活とのずれを可能な限り小さくできるように支援すること、患者の力量に見合った方法を見出すことができるように援助することが重要であることが示された。現在、明らかになった神経膠腫患者の生活調整過程と、神経膠腫患者の先行文献から患者のニーズを分析しており、支援プログラムの開発に向けて、具体的な介入方法と介入時期を検討している。
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