2017 Fiscal Year Research-status Report
小児がん経験者の疾患認知に着目した就労支援プログラムの開発
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16K20786
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
副島 尭史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00768989)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児がん / 小児がん経験者 / 就労 / 晩期合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 実施概要:小児がん経験者の疾患認知が就労状況・職務パフォーマンスに関連するかを明らかにし、小児がん経験者の就労状況・職務パフォーマンスに対して、疾患認知に着目した就労支援プログラムを検討することを目的とした。平成29年度は、疾患認知として心的外傷後成長 Posttraumatic Growth(PTG)に着目し、まず一般の大学生・社会人を対象としたPTGに関する測定尺度の開発を行った。 2. 実施計画:小児がん患者・経験者の疾患認知に関する幅広いレビューを行い、疾患認知としてPTGに着目することとした。PTGを測定する尺度として、Posttraumatic Growth Inventory-X(PTGI-X)が適当であると考えられたが、日本語版の妥当性・信頼性が検証されていなかった。このため、①平成29年1月~4月に大学生を対象としたアンケート調査、②平成29年11月~平成30年2月にかけて、大学生・社会人を対象としたアンケート調査を行った。①は、関東地方に居住している大学生を対象とし、PTGI-Xの項目内容に関するアンケート調査を行った。大学生257名からデータを収集し、PTGI-Xの項目内容の捉え方およびその性差を分析した。解析の結果、PTGに対する日本人特有の考え方を明らかにした。②は、①の結果を踏まえ、PTGI-Xの妥当性・信頼性を検証するために、関東地方および九州地方に居住している20歳以上の大学生・社会人を対象としたアンケート調査を行った。平成30年3月にデータ入力を終了した。現在、データの分析を行っており、PTGI-Xの妥当性・信頼性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画とは異なり、小児がん患者・経験者にとって重要と考えられる疾患認知としてPTGに着目したため、新たに文献レビューが必要となった。また、PTGは比較的新しい概念であり、複数の調査を踏まえた上でPTGI-X日本語版の開発を行う必要性があり、時間を要した。よって、当初の計画よりやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年6月より、小児がん経験者におけるPTGI-Xおよび就労状況・職務パフォーマンスに関する調査を予定している。また、調査に要する時間を短縮するために、Web調査なども検討している。調査終了後は、統計解析ソフト(SPSS、R、AMOS)を用いて、小児がん経験者の就労状況・職務パフォーマンスと晩期合併症・疾患認知の関連を検討し、その結果を論文執筆・英文雑誌投稿、学会発表により成果発表する予定である。
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Causes of Carryover |
前期:平成30年6月から小児がん経験者におけるPTGI-Xおよび就労状況・職務パフォーマンスに関する調査を予定しているため、それに伴う説明文書等の印刷費、対象者への謝礼、調査に係る旅費、研究補助員の給与が必要である。後期:横断的観察調査が終了後(2018年1月予定)は、データ入力・統計解析をする予定である。また調査結果は論文執筆、学術雑誌への投稿を予定している。そのため、学術雑誌投稿のための英文校正代が必要になる。また、国際学会での最新情報を学ぶために、旅費等が必要になる。
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Research Products
(5 results)