2018 Fiscal Year Annual Research Report
Various Meanings Associated with Autism Spectrum Disorder Told by Autistic Children and Their Family: An Investigation into Interactions in the Form of Dialogs
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16K20794
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
山本 真実 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授(移行) (90710335)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 対話 / ナラティヴ / ポリフォニー / 子ども / 家族 / コミュニケーションの困難さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成26・27年度に実施した研究を基に取りんだものである。本研究の目的は、①自閉症スペクトラム(ASD)のある子ども自身が語る自分自身について明らかにすること、②家族が語るその子について明らかにすること、③子どもや家族にとって、自分自身/その子について多様な意味が生じる対話がどのような経験であるかを明かにし、④対話という看護者のかかわりを提案することである。 研究参加者は、ASDに総称される何かしらの診断を受けた、あるいはコミュニケーションの苦手さや、幼児期に療育教室に参加したという経験をもつ子ども・者とその家族とした。データは、子どもとの対話(2回)、家族員との対話(各1回)、複数の子ども・人々のグループでの対話(18回/月1回程度)により収集した。子どもや家族員との対話は事例ごと、グループでの対話は自分に関する語りの変化により、質的帰納的に分析した。大学研究倫理委員会の承認を得た。 8歳~16歳の子ども9名(本課題では1名を追加)、6家族(本課題では1家族を追加)、グループでの対話には18~19歳の男子3名が参加した。子ども達は、自分自身について、他者と気持ちを分かち合いたいこと、友達づきあいにおける信条があること、厄介事を切り抜ける自分なりの方法があること等を語った。家族員は、それぞれ異なる物語からその子について語り、家族員の物語は互いに補完的であった。グループでの対話は、多様な考え方や経験が語られることで、改めて他者の視点から自分を見つめ直し語られていた。 ASDに話題を限定しない対話、対話における関係の充実を重視した対話、物語が重なり合う多声的な対話は、子どもや家族が、新たな視点から自分自身/その子について語り直す機会となる。また物語の多様さが家族をどのように支え、家族としてのどのような考え方をつくるのか、という視点から家族を理解することを助ける。
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Research Products
(3 results)