2016 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師の夜間・休日オンコールが自己効力感、多職種・多施設連携に与える効果
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16K20840
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
大木 正隆 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (00459166)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 24時間対応 / 多職種・多施設連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は訪問看護ステーションにおいて訪問看護師が実践している24時間対応(夜間・休日オンコール)が、訪問看護師自身に与える自己効力感、身体的・精神的ストレス、および多職種・多施設連携に与える効果を明らかにすることである。 平成28年度は訪問看護師が実践している24時間対応(夜間・休日オンコール)の現状を把握するための調査票作成を以下の手順で実施した。医学中央雑誌等を用いて「訪問看護」、「緊急電話」、「オンコール」等のキーワードからの文献検討、および大田区内の実践経験豊富な訪問看護管理者4名、多職種連携の要となる介護支援専門員4名に協力を得てヒアリングを実施し、調査項目の抽出・選定を行った。その結果、本研究で必要となる基本情報を含む調査票の他、訪問看護師が実践している24時間対応(夜間・休日オンコール)の現状を把握するための調査票(案)を作成した。また本年度は医学中央雑誌等を用いて「自己効力感」、「多職種」、「連携」等のキーワードから文献検討を実施し、最終的に既存の自己効力感に関する尺度、多職種連携に関する地域連携尺度それぞれを本研究に選定・採用した。 次年度以降は、作成した訪問看護師が実践している24時間対応(夜間・休日オンコール)の現状を把握するための調査票(案)のパイロットスタディ後、信頼性・妥当性を検証し、既存の自己効力感に関する尺度、地域連携尺度等との関係性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践経験豊富な訪問看護管理者および多職種連携の要となる介護支援専門員合計8名へのヒアリングから有益な助言が得られ、調査票(案)の内容・対象等の選定に活用し、当初の予定どおり調査票(案)の作成が出来たため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずH29年度は、H28年度に作成した調査票が実際の訪問看護ステーションの24時間対応(夜間・休日のオンコール)の現状を把握できているかの信頼性、妥当性評価を訪問看護師を対象に検証する。 対象とする訪問看護師は、東京都の訪問看護ステーションから無作為抽出し郵送調査を実施する。データ集計は、SPSSを用い対象集団の特徴を把握する。また調査票には自由記載欄を設け、記載された内容については、今後の調査項目の材料としての検討を経験豊富な訪問看護師・学識経験者等と協同して実施する。 医療制度改革で我が国の医療は在宅ケアにシフトしてきており、訪問看護師の活躍の場は広がっている。訪問看護師の24時間対応は、訪問看護師の自己効力感を高めると同時に療養者・家族だけでなく、他の医療職・介護職にとっても安心・安全につながっていることが予想される。そのため本研究は、24時間体制を基盤とした地域包括ケアシステムを推進していく上でも意義があると考えられる。
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Causes of Carryover |
H28年度は自室の研究室にて概ね文献検索等が可能であったため、当初予定したノートPC等の購入を控えていたが、H29年度以降はH28年度と比較し学外での仕事が多く予想されるため時間の有効活用等を考慮し早急にノートPC等を購入予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ノートPCの他、当初の予定どおり作成した調査票の妥当性評価等のために主に統計分析ソフト、人件費・謝金等に使用予定である。
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