2017 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetic bases for HSCs aging and development of hematopoietic disorder
Project/Area Number |
16K20959
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大島 基彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70506287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PRC2 / 老化 / H3K27me3 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の生理的加齢に伴う様々な変化について調べるため、若齢(10週)及び老齢(20-24ヶ月)マウスから純化した造血幹・前駆細胞を用いてRNA-seqを行ったところ、老齢造血幹・前駆細胞において、Ezh2, Ezh1を構成因子として含むポリコーム群抑制性複合体2 (PRC2) の標的遺伝子の発現が顕著に増加していることが確認された。そこで、ChIP-seqによりH3K27me3の変化について検証したところ、PRC2標的遺伝子の転写開始点におけるH3K27me3レベルが、加齢に伴い減少していることが示されたことから、老化造血幹・前駆細胞では、PRC2の機能が減弱することでH3K27me3レベルが減少し、複数の遺伝子の転写抑制が解除されている事が明らかとなった。次に、加齢におけるどのようなシグナルがPRC2の機能に影響を与えるかについて調べるため、老化ストレスの一つとして知られる感染性のストレスによる影響について検証を行った。1ヶ月間のLPS 投与により慢性的な感染ストレスを加え、1ヶ月後に解析を行った結果、遺伝子発現はコントロールと比べ老化細胞に近くなり、H3K27me3レベルは減少することが示された。また、Aktを介したEzh2 C末端側 21番目のセリン残基のリン酸化により、PRC2の機能が減弱することが報告されているので、若齢、及び老齢の造血幹細胞を用いて免疫染色によりEzh2 S21リン酸化を調べた所、老齢造血幹細胞においてEzh2のS21リン酸化が顕著に亢進していることが確認されたことから、老化造血幹細胞における PRC2の機能減弱の分子機構にEzh2 S21リン酸化が関わることが示唆された。
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Research Products
(5 results)