2020 Fiscal Year Research-status Report
両大戦間期フランスの移民政策と国際ネットワークの形成
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16K20961
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 千尋 (渡辺千尋) 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (50737476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経済史 / 移民史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、両大戦間期フランスにおける移民政策の過程を、関連する諸アクターの利害関係の分析を通じて明らかにすることである。本研究を通じてフランスにおける移民政策の特質を把握するとともに、人の国際的な移動をめぐって諸アクターが築いた関係性をグローバル・ヒストリーの中で捉え直すこと目指している。 本年度は、当初予定していた一次史料の調査が困難であったことから、これまで収集してきた文献、一次史料の整理・分析を進めた。この成果の一部は、「両大戦間期フランスの移民政策に関する一考察(2)―ウィリアム・ウアリドの議論を中心に―」(『千葉大学経済研究』第35巻第3・4号、2021年)としてまとめた。また2021年1月にオンラインで開催された移民難民スタディーズ第6回研究会において、「フランスにおける移民の軌跡―1920年代の外国人労働者とその家族―」というタイトルのもとで報告を行った。この研究会で受け取った意見を踏まえ、論文を執筆しており、近日中に投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、これまで収集した史料を分析することで、本研究の総括に向けての課題を整理することはできた。しかし、フランス移民政策の歴史研究に関する史料調査を行うことが困難であり、計画通りに研究を遂行することができなかったことから上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの調査で収集してきた史料の整理・分析を引き続き進め、本研究の総括を行う。昨年度と同様に海外渡航が困難な場合には、国内の図書館などを通じて閲覧可能な資料を入手し、最終的な総括に取り組むことを目指す。分析を通じて得られた研究結果は、学会や研究会の場を通じて公表することする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、計画していた海外調査を行うことができなかったためである。この額は、次年度の渡航にあて、それが不可能な場合には、海外からの資料の取り寄せに使用する予定である。
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