2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental study of neural basis responsible for language processing using diffusion tensor imaging
Project/Area Number |
16K21050
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 芳雄 弘前大学, 医学研究科, 特任講師 (70760891)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳構造の発達 / 下前頭回 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は言語処理と密接に関連すると考えられている下前頭回における脳構造の発達を乳幼児期から早期成人期までのT1強調画像と拡散テンソル画像を用いて検討することである。平成29年度は、前年度試みてうまくいかなかったマニュアルトレーシングに代えて、脳画像解析のクラウドサービスであるMRIcloudを利用して、下前頭回の白質領域における、拡散異方性の指標となるfractional anisotropy value(FA値)とミエリン化の程度の指標となるradial diffusivity value(RD値)を算出した。月齢との関連について累乗モデルで回帰分析を行なった結果、左右下前頭回のFA値とRD値が共に月齢と有為に関連することがわかった。その結果、FA値については左右の下前頭回で生後50ヶ月くらいまで増加し、その後左側で増加の幅が緩やかになり、右側ではPlateauになっていた。RD値については、下前頭回の両側で150ヶ月くらいまで減少し、その後ほぼPlateauになっていた。各指標の左右差をそれぞれ検討したところ、RD値については左右差がみとめられなかったものの、FA値については統計的に有意な左右差が認められた(効果量は中程度)。この下前頭回のFA値の側性は、前年度に明らかにした灰白質体積の結果と合わせて、言語処理における左半球優位性が発達期においても同様に認められることを支持する結果である可能性がある。今後は言語能力を測定する検査なども合わせた研究を行い、本研究で得られた結果の解釈の妥当性を確認したいと考えている。
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