2017 Fiscal Year Research-status Report
新生児期の低酸素性虚血による多臓器障害の病態生理と治療に関する研究
Project/Area Number |
16K21202
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
久保 裕之 香川大学, 医学部, 協力研究員 (30564116)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 新生児低酸素性虚血性脳症 / 多臓器障害 / 肝障害 / 腎障害 / 新生仔豚 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、新生仔豚を用いて、低酸素性虚血性脳症(HIE)発症時の全身の臓器障害に関する研究を行っている。 我々は本研究で、HIE発症時には脳だけでなく肝障害も併発していることを突き止め、さらに全身低体温治療によりこの肝障害が軽減されることを発見し、Neonatology.2017;111:203-210で報告した。 本年度は、HIE発症時には腎の線維化が認められることを病理学的に証明した。この結果はHIE研究における新たな発見であり、今後、学会、論文を通じて発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HIE発症時の腎障害を病理学的に証明し、また低体温治療では予防し得ない可能性を示唆する結果を得ていることは、新しい成果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
肝障害、腎障害を中心に多臓器障害の病理学的評価を継続したい。
|
Causes of Carryover |
予定していた、研究結果を世界に発信するための国際学会活動が十分にできていない。 また、肝、腎以外の臓器障害が証明できていないため、その治療効果を判定する研究が行えていないことが、次年度使用額が生じた理由である。引き続き研究を行い、結果を学会にて発表したい。
|