2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on carrier support programs for college students with Autism Spectrum Disorder
Project/Area Number |
16K21220
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
面高 有作 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 助教 (80749474)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ICF / 自己理解 / セルフアドボカシー / 発達障害学生 / 就労支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育機関に在籍する発達障害学生が増加している中、就労支援の知見の蓄積が十分でないことから、ICF(国際生活機能分類)の視点にたった、発達障害学生へのキャリア支援に関する研究をすすめた。 2016年度から実施している自閉スペクトラム症のある学生を対象としたプログラムの前後で進路選択に関する自己効力感に差があるかどうかについて、ウィルコクソンの符号順位検定(Wilcoxon signed rank test)を行ったところ有意差が認められた。また、就職レディネスにおけるプログラム前後の比較を行ったところ、3要因において有意差が認められた(「就職意欲度」「環境理解度」「就職活動理解度」)。一方で、「思い込みからの自由度」及び「キャリア設計度」に有意な変化が認められなかった。これらは発達障害学生の中でも自閉スペクトラム症者の障害特性である、多面的かつ柔軟に思考することの難しさや、見通しを立てて物事に取り組むことの苦手さを反映していると考えられた。 今年度はこれまでの実践研究で得られた知見(インタビュー及び質問紙:進路選択に対する自己効力感、就職レディネス、セルフアドボカシー)をもとに、発達障害学生の自己理解の深化と、セルフアドボカシースキルの獲得のあり方について検討した。その結果、(1)知識を深めることに加えインターンシップなどの体験に基づいた学びが自己理解の深化につながること、(2)ピアとしての活動が自己理解とセルフアドボカシースキルを高めることが示唆された。
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