2016 Fiscal Year Research-status Report
ナノバイオグラス・低接着性コラーゲンを応用した高機能遺伝子活性化基質の創成
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16K21235
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三浦 桂一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10634446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Gene Activated Matrix / LASCol / ナノパーティクル / バイオマテリアル / bone regeneration / 口腔外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔外科領域では、社会の超高齢化に伴い、歯槽骨および顎骨を喪失する患者が増加している。したがって、骨再生療法は重要な課題である。現在、新鮮自家骨移植が最も有効で、申請者もその有用性を報告している(K Miura,et al.2015)。しかし外科的侵襲、採取量の問題で、人工骨再生材料の開発が望まれている。我々は、骨形成性プラスミドベクター(pBMP4,pRunx2)を搭載したアテロコラーゲンによる遺伝子活性化基質 (Gene Activated Matrix: GAM)を含浸したβ-Tricalcium Phosphate(β-TCP)を用い、骨再生能を証明してきた(M Umebayashi, et al. 2015)。しかし、この方法は大量のプラスミドDNA を要することが欠点である。本研究は、低用量非ウィルス性ベクターを保持した新規バイオマテリアルの開発を目的に、①ナノバイオグラスを用いてDNAの細胞貪食能を高めプラスミドDNAの遺伝子導入効率化を図り、②担体として用いていたアテロコラーゲンを低接着性コラーゲンLASCol(Low Adhesive Scaffold Collagen (LASCol))に置き換え、細胞のスフェロイド(凝集塊)形成の誘導作用ならびに骨髄間葉系細胞の骨芽細胞への分化促進作用を強めて、従来のGAM をさらに改良させ、臨床応用を目指すことである。 本研究は、GAM の臨床応用を目的にナノバイオグラスを用いて遺伝子導入効率を高めるとともにLASColを用いて細胞遊走能の促進を図り、骨再生療法の臨床応用を目指し、遺伝子導入に関する学理を究明しようとするものである。 現在は、マテリアルを作成する際に、プラスミドDNA、ナノバイオグラス、LASColの濃度を調整し骨形成能効率の最も良い濃度の組み合わせを選定するためにマウス頭蓋骨上への移植実験を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来と比較し優れた骨再生能を有するバイオマテリアルを開発できる可能性が考えられるため、プラスミドDNA、ナノバイオグラス、LASColの濃度を調整している。動物実験から得られた結果(マウス頭蓋骨上)から骨形成能効率の最も良い濃度の組み合わせを選定し、至適条件を探索しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、プラスミドDNA、ナノバイオグラス、LASColの至適濃度を探索し、至適濃度が決定した後はラット頭蓋骨上のほか、ラット頭蓋冠臨界骨欠損においても、組織学的、免疫組織学的、そしてX線学的に骨再生能の評価を行う予定である。
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