2016 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息におけるΔNp63関連エピイムノームによるILC2細胞の活性化機構
Project/Area Number |
16K21249
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久保 輝文 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90580019)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 気管支喘息 / 気管支上皮 / p63 |
Outline of Annual Research Achievements |
気管支喘息の気道組織形態を観察すると上皮の脱落が観察され、残存する上皮は線毛を失っている。また、喘息気道上皮における転写因子ΔNp63の発現を検討するとΔNp63陽性の基底様細胞が生存、増生し、ダイレクトに外界と接している。
上皮細胞に発現するΔNp63は外界からの様々な侵襲に対して、細胞の生存あるいはアポトーシスを制御する。本研究ではΔNp63がこれらの機能に加えて、上皮細胞の免疫応答ダイナミクスをも制御すると仮説のもと、気管支上皮の基底細胞に発現するΔNp63の機能解析を目的としている。
本年度は培養気管支上皮細胞にRNAiを用いてΔNp63のノックダウンを行い、ΔNp63によって制御される分子を抽出した。その結果、炎症環境の形成、持続に関与しているターゲットを複数同定することができた。また、ΔNp63は気管支上皮のウイルスに対する感受性に関与することを明らかとした。さらにΔNp63の発現調節によって気管支喘息の病態に対して保護的に働く、あるいは増悪、慢性化を促進する外的および内的因子を検索するため、種々の化学的ストレス、生物学的ストレスによるΔNp63の発現に与える影響を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ΔNp63によって制御され、気管支喘息の慢性化に関与しうるターゲットを同定しえたことから、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は得られた候補分子が気道リモデリングや炎症の継続に果たす役割について機能解析を行う予定である。
|