2016 Fiscal Year Research-status Report
労働力の維持と安心できる介護の両立を目指して―家族介護者における就労の背景要因
Project/Area Number |
16K21314
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 智子 (伊藤智子) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70709683)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族介護者 / 就労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国民生活基礎調査の個票データを用いる。データは、統計法第33条に従って個票利用申請を行って承認を受け利用する。申請するデータは、介護票の調査が始まった平成13年から最新の平成28年までの計6回を予定しており、各年の世帯票、健康票、介護票かを参照して、利用申請する調査項目を設定した。家族介護者と要介護者の組み合わせ同定には、世帯票の「主に手助けや見守りをしている方」の世帯員番号を用いる。また、家族介護者の世帯票・健康票、要介護者の世帯票・健康票・介護票のデータの突合には、調査年、都道府県番号、地区番号、単位区番号、世帯番号をキーとして突合するものであり。こうした突合キーとなる調査項目も利用申請するリストとしてまとめた。また、本研究では、家族介護者の中で、就労している者としていない者の状況の比較が主な分析目的であるが、就労においては、世帯票の中で調査年5月の仕事の状況として、仕事あり(1 主に仕事している、2 主に家事で仕事あり、3 主に通学で仕事あり、4 その他)、仕事なし(5 通学のみ、6 家事(専業)、7 その他)と調査されている。さらに、1週間の就業日数、就業開始時期、仕事の内容(職業分類)、勤めか自営かの別、勤め先での呼称(勤務形態)、勤め先の企業規模・官公庁の別、が調査されている。こうした調査項目を基に、①就労の有無、②就労の程度(就労頻度と勤務形態による重み付け)を変数化しアウトカム変数とする。なお、勤めか自営かの別や勤め先の企業規模・官公庁の別は、就労実態に対する背景要因の変数として扱うこととしているが、介護のみの時間や、就労に介護を合わせた時間が、一般的な1日就労時間8時間を超えるケース(例えば、8時間の就労のあと、介護をさらに行っているケース)があることが想定され、就労あるいは介護に費やされている時間の1日上限を設定することの必要性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用するデータの当局へのデータ利用申請がまだ終わっていないためである。しかし、コンピュータやメモリ等の分析のための物的な環境を整えることができた。また、研究実施場所筑波大学での倫理審査を受け、本研究はその承認を受けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
データ利用申請の準備を進め、状況が整い次第、当局に利用申請を開始する。同時に先行研究のレビューを進め、分析に用いる統計モデルや共変量として用いるべき調査項目を整える。データは当局への申請・承認をもって提供されるため、データの到着に時間を要する場合が想定される。計画の遅延を出来るだけ防ぐために、事前にデータ突合および変数化のプログラムを用意しておく。各調査票のPDFファイルが厚生労働省のWebページで公開されており、用いる調査項目の様子を把握できる。調査項目は同じ調査票であっても各年異なり、3種の調査票の5年分のデータ突合・変数化プログラムを事前に準備しておくことは有利である。また申請者はこれまでも国民生活基礎調査を初めとする大規模踏査データ(介護保険給付実績、市町村調査データ等)の二次利用の経験があり、そうした経験から予想されるバグ等への対応も可能な限り事前にプログラム化する。
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Causes of Carryover |
研究実施に遅延があり、学会等で発表できる結果をまとめるまでに至っていないため、その発表機会のための旅費や投稿費等の支出がなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には、発表機会を得るために、学会参加や論文掲載に係る経費として支出予定である。
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