2017 Fiscal Year Research-status Report
労働力の維持と安心できる介護の両立を目指して―家族介護者における就労の背景要因
Project/Area Number |
16K21314
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 智子 (伊藤智子) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70709683)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 家族介護者 / 就労 / 在宅ケア / 国民生活基礎調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「介護と仕事を両立している者がなぜ両立できているのか」への問いに答えるべく、家族介護者の就労実態に関連する要因を多変量解析により明らかにすることを試みた。データは厚生労働省から国民生活基礎調査の提供を受け、介護票による調査が開始された平成13年より平成25年までの計5回分のデータを用いた。まずは、平成22年分の調査データを用いて、家族介護者の世帯票・健康票および要介護者の世帯票・健康票・介護票を、調査区・世帯番号・世帯員番号を用いて突合し、一つのデータセットとした。特に、要介護者と主家族介護者のペアリングについては、要介護者の世帯票にある補問9-4 (主に手助けや見守りをしている方の)同別居の状況(同居している場合は、その世帯員番号)を用いて世帯内の要介護者に対する世帯員を特定した。これにより、要介護者と主家族介護者における両者の変数を同時に分析することが可能となった。就労実態は、主家族介護者の世帯票の就労の有無および就労時間や勤務形態よりを用いた。 その結果、平成22年の介護票の集計客体6,342人(公表値)のうち、世帯票および健康票と突合できたのは6,340人、そのうち独居者を除外(家族介護者と同居の者のみを選択)すると4,883人であった。さらに主家族介護者の世帯員番号が特定可能であったペア(主家族介護者が同じ世帯で同居しているケース)は4,069人であった。性別の組み合わせは、要介護者:主家族介護者において、男:男142ペア、男:女1,410ペア、女:男1,098ペア、女:女1,419ペアであった。主家族介護者の年齢は、30歳未満0.46%、30歳以上60歳未満31.5%、60歳以上68.09%であった(2名欠損)。そして、仕事・通学をしていない主家族介護者は61.09%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ利用申請の承諾を得て、データの提供を受けるまでに時間を要した。また、その後のデータクリーニングや突合方法の探索のために時間がかかってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの作業で、データの様子は概ね把握できた。今後は平成22年以外の調査年のデータにも着手し、さらに分析モデルのための変数の記述そして解析を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
データ分析が遅れたため、成果(論文、学会発表)などに至っておらず、次年度はこれらの発表に要する費用(論文掲載費、学会参加費等)に使用する予定である。
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