2017 Fiscal Year Annual Research Report
An Attempt to Create <New Women> in Fascist Italy
Project/Area Number |
16K21414
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
山手 昌樹 日本女子大学, 文学部, 研究員 (70634335)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イタリア / ファシズム / 女性ファッシ / 女子教育 / 日記 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続きファシスト党女性組織の機関誌『イタリア女性評論』(Rassegna femminile italiana)を手がかりとして、ファシスト党による女子教育の方針や活動を整理するとともに、女性自身の女性観について言説分析した。 また、女性労働者に対するファシズム体制の認識を知る手がかりとして、ファシスト労働組合のプロパガンダ誌を言説分析した。 その結果、1927年以降の人口増加政策の推進において良妻賢母を女性の理想像とし、女性の家庭外労働を制限するイデオロギーがあったにもかかわらず、実態としては女性に労働力としての役割も期待しており、特に若い女性に対しては労働する女性の美しさを称賛していたことが明らかになった。 さらに女子学生や女性労働者の認識を知る手がかりとして、前年度末に収集した日記や回想録を分析した。これらの史料はイタリア中部アレッツォ近郊ピエーヴェ・サント・ステーファノ(Pieve Santo Stefano)所在の「国立日記史料館」(Archivio diaristico nazionale)に収蔵されているものである。プライバシー保護の観点から、情報の利用には制限が多々あるものの、ファシズム時代の民衆の心情を解明するうえで今後、大いに役立てられるべき史料群であると言えるだろう。 2018年2月下旬から3月初めにかけては、ミラノ国立図書館、フィレンツェ国立図書館、トリノ大学図書館において資料収集をおこなった。
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Research Products
(3 results)