2017 Fiscal Year Research-status Report
短下肢装具型ロボットの立位外乱応答を補完する装具支柱剛性最適化に関する研究
Project/Area Number |
16K21456
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
小山 総市朗 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (90754705)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 姿勢制御 / ロボット / 短下肢装具 / 立位外乱応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,平成28 年度に整えた実験環境を用いて,立位時の予期しない外乱に対する姿勢応答を,十分に高い支柱の剛性を持つ短下肢装具によって足関節を固定した場合と,下肢装具を装着せず足関節を固定しない場合とで比較し,立位外乱応答に対する足関節固定の影響を明らかにすることであった. 本研究の対象者は,健常男性8名とした.実験開始前,対象者の両側下肢に短下肢装具を装着して,三次元動作解析用カラーマーカを骨盤(腸骨稜),股関節(上前腸骨棘と大転子を結んだ直線上の大転子から1/3の位置),膝関節(大腿骨外側上顆の前後径の中点),足関節(外果),足指(第5中足骨骨頭)の体表に貼付した.実験は,まず対象者に床反力計内臓トレッドミル上で立位をとらせた.対象者の視線は前方の注視点に向けさせた.上肢は胸の前で組ませた.安定した立位姿勢を確認後,無作為なタイミングでトレッドミルベルトを前方駆動して対象者に外乱刺激を与えた.対象者には,外乱刺激後も立位を保持させた.その後,対象者の立位姿勢が再び安定するまで計測を継続した.計測は各条件3回行った.外乱刺激後にステップ反応や上肢支持を認めた時は再計測した.評価は,身体重心の前後変化量,股関節と足関節の関節角度変化量とした.実験条件は,十分に高い支柱の剛性を持つ短下肢装具によって足関節を固定した場合と下肢装具を装着せず足関節を固定しない場合との2条件とした.解析は各対象者で平均値を求め,足関節固定の有無について対応のあるt検定を用いて有意差検定を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画では,立位時の予期しない外乱に対する姿勢応答を,十分に高い支柱の剛性を持つ短下肢装具によって足関節を固定した場合と,下肢装具を装着せず足関節を固定しない場合とで比較し,立位外乱応答に対する足関節固定の影響を明らかにする予定であり,おおむね予定通り完了した. 健常男性を対象とした実験の結果,身体重心の前後変化量は,足関節の固定あり19.9±4.3cm,足関節の固定なし18.4±4.6cmであり,条件間に有意な差は認めなかった.一方,股関節角度は,足関節を固定あり14.0±6.0cm,足関節固定なし9.2±2.1cmと両条件間に有意差を認めた.足関節角度は足関節を固定あり3.8±0.9cm,足関節固定なし8.7±3.1cmであり有意な角度の増大を認めた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究において,独立変数を足関節固定の有無とすることで, 足関節固定が外乱に対する立位姿勢応答に与える影響を検討した.平成30年度は,平成29 年と同様の実験環境で,装具支柱の剛性が可変な短下肢装具を用いて,装具支柱の剛性が外乱に対する立位姿勢応答に与える影響を明らかにする予定である.そして,立位外乱応答に対する装具支柱剛性の影響を明らかにする.
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