2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of exploration method for irregular structures using train induced vibration
Project/Area Number |
16K21692
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岡本 京祐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (30748546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 列車振動 / 不整形地盤 / イメージング / 振動観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
地盤中に不連続や傾斜構造を有する不整形箇所では,地震波の増幅的干渉が生じ,地上構造物が大きな被害を受ける危険性がある.このような箇所を予め把握し地震動予測をすることは,都市開発や防災計画にとって不可欠である.そこで,申請者は列車振動により生じる弾性波を用いて不整形地盤を探査する手法の開発を目的とした。 列車振動を用いた不整形地盤探査を行うための基礎検討として,(1)列車振動の収録,(2)入力波形の特性解析,(3)地震波干渉法処理の適用を行った。(2)の意義は,複雑な波形となる列車振動(逐次移動する車輪がレールを圧縮することにより生じる非定常的な部分と,レール継ぎ目のような不連続な部分を車輪が通過する度に生じる定常的な部分が混在している)の特性(波形や発振位置)を解明し,地盤探査用の入力波形として用いる準備である。本研究では,レール近傍の観測点で得られた波形の自己相関処理により,繰り返し車輪により載荷される定常波形部分の抽出を行った。また,レールから離れて置かれた観測点で得られた波形と,定常波形部分のみを取り出したレール近傍の観測波形の間で波形相関処理を行うことで,任意の地震観測点ペア間の疑似観測ショットを作成した。得られた疑似観測ショットを用いて反射波の抽出を行い,これに成功した。以上を通して,列車振動の収録により,地下の不整形部分から生じる反射面を抽出できることを示した。その後,得られた疑似ショットの評価を行ったところ,不整形形状のイメージングが可能となるのに十分なS/N比を保持していないことが分かった。原因を追究したところ,サンプリング数の不足やそもそもの列車振動のパワー不足が考えられた。しかしながら,列車振動による雑微動成分を用いた微動探査を用いることで,不整形部分の補助的なイメージングが可能なことを示した。
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