2016 Fiscal Year Research-status Report
多様な働き方に即した産業衛生制度再構築のための国際比較研究(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
16KK0087
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 まり子 帝京大学, 大学院 公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | 産業衛生 / 労働政策 / 雇用形態 / 非正規雇用 / 社会疫学 / 政策分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現在日本で進む多様な働き方に即した産業衛生制度を構築するために、それに必要な要素と制度を検討するため、先行する欧州諸国の産業衛生制度を築く法律や政策、実際の産業衛生活動を調査し国際比較を行うことである。特に実務や行政関係者のインタビュー調査と現場訪問によって政策決定過程と実施状況に注目し、今後日本での産業衛生制度再構築の提案を行うことである。 研究は雇用形態多様化に即した労働政策を有する欧州諸国を対象に、(1)EU全体の動向、(2)雇用形態多様化に即した社会制度を有するオランダ、デンマーク等北欧諸国、(3)フランス・英国・ドイツ等の人口規模が大きい欧州諸国について以下の4つの側面から分析を行う。(1)法制度や政策に関する資料収集、(2)雇用形態多様化に即した産業衛生制度の各国達成状況の整理、(3)インタビュー調査による産業衛生制度と具体的活動の情報収集と政策決定過程の把握、(4)具体的な産業衛生活動の観察による事例分析である。 平成28年度は、平成29年1月末の採択を受けた後に、国際共同研究のための準備を本格的に開始した。共同研究連携先となる国際労働機関(International Labour Organization: ILO)と共同研究を行うための準備である。具体的には、客員研究員(Visiting Scholar)としての受け入れに関する申請、今後の研究に関する面談と話し合い、研究実施に関わる説明のための訪問や打合せの計画などを行い、国際共同研究基盤づくりに努めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、平成29年1月末の本研究採択を受け、現地の受け入れ先であるInternational Labour Organization(ILO)との本格的な調整を開始した。受け入れに関する面談や共同研究の提案に関する面会、打合せに関わる現地訪問など、平成29年度以降の計画について相談と話し合いを実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、ILOでの客員研究員(Visiting Scholar)としての受け入れと、共同研究の開始を目指す。着任前には、ILOの産業衛生部門と研究部門の担当者らと数回の面談と打合せを行い、円滑な研究開始と実施に努める。また、日本国内で実施可能な事前の各国政府やILOなど国際機関の情報収集については日本で行う。
|