2018 Fiscal Year Research-status Report
多様な働き方に即した産業衛生制度再構築のための国際比較研究(国際共同研究強化)
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16KK0087
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 まり子 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 社会疫学 / 産業衛生 / 多様な働き方 / 非正規雇用 / 健康格差 / 社会保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年間の国際労働機関(ILO)研究部門に客員研究員として滞在した。同部門担当者との共同研究としては、非正規雇用や雇用形態多様化の健康影響に関する既存の文献レビューを行い、成果をレビュー論文として国際学術誌と報告書のために執筆した。多様な働き方を取り巻く状況は世界でも変化しているため、新たな知見を追加して体系的なレビュー論文を執筆することができた。 本研究課題の主たる目的である、欧州と各国の労働安全衛生の政策や実情については、ILO内のデータベースや報告書・書籍を活用すると共に、ILO内の各専門家、同じスイスのジュネーブに拠点があるそのほかの国際機関等の各国の専門家へのヒアリングから情報を得ることができ、各国の新しい働き方に対する産業衛生制度の取組の整理を行った。 システマティックレビュー論文、各国の産業衛生制度比較に関する論文執筆を行い、昨年度から継続して国際共同研究の基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり、欧州や各国の労働安全衛生に関する情報や、過去の研究についての情報を順調に得て研究を進めることができた。また、国際共同研究の基盤を構築して研究論文を執筆することができた。 今後、こうした研究成果を学術的に公表するだけではなく、実務家なども含めた一般公開型の情報発信を行うよう計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた情報による産業衛生制度に関する論文と、非正規雇用労働者ならびに新しい働き方と健康に関するレビュー論文を国際学術誌に掲載するように努める。 今回の研究成果と構築した国際共同研究基盤を活かし、2019年度内には今回の共同研究先を含む研究者・実務家らと共に、東京での国際シンポジウム開催を企画している。広く一般に向けたシンポジウムにして、働き方改革を推進する日本において、益々多様化する働き方や職場環境が見えにくい新しい就労形態の労働者とその健康について、最新の研究や情報を共有する場を提供して研究成果を発信する予定である。
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Research Products
(8 results)