2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research for reconstructing occupational safety and health and social security system for non-standard workers(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0087
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 まり子 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 働き方の多様化 / 非正規雇用 / 不安定雇用 / 働き方改革 / Industry 4.0 / Society 5.0 / クラウドワーク / 産業衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様な働き方に即した産業衛生制度を構築するために必要な要素と制度を検討するため、先行する欧州諸国の産業衛生制度を築く法律や政策、実際の産業衛生活動を調査し国際比較を行うことであった。研究計画どおり、国際労働機関(ILO)の客員研究員として受け入れていただき、現地関係者の支援の下で研究を進めることができた。 研究は、特に雇用形態多様化に即した政策を有する欧州諸国を対象に、EU 全体の動向や欧州諸国 について、法制度や政策に関する資料収集、雇用形態多様化に即した産業衛生制度の各国達成状況の整理、具体的活動の情報収集と政策決定過程の把握を行った。また、ILOとの共同研究として、これまでの雇用形態多様化と健康との関連についてのシステマティックレビューなどを行った。本研究期間中、技術革新やグローバル化に伴う社会変化と新しい働き方に関する世界の動向を知ることになった。Industry 4.0あるいは日本のSociety5.0に示される情報技術の進展とクラウドワークなど新しい働き方に関する議論に触れ、その健康への影響について着目する機会を得た。 最終年度は全期間のまとめとして共同でレビュー論文を執筆した。また、ILOで出版されたデジタルエコノミーに関する報告の邦訳や国際シンポジウムを行う準備を行った。雇用形態多様化に即した産業衛生活動の再構築に活かすような研究と実践活動の橋渡しは今後の課題となっているが、そこに至るまでの情報収集や調査研究、各種論文執筆など基盤づくができた。 本国際共同研究は、実務を担う国際機関と大学との連携という長所もあった。当初の予想以上に研究と教育の幅を広げることができた。今後も今回の連携先であるILO研究部門等との連携と研究を進め、新しい働き方が増える社会において、いかに労働者の健康を守るかという実践活動を国内外で行うよう努めていきたい。
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Research Products
(7 results)