2017 Fiscal Year Research-status Report
ラテンアメリカの国際労働移動におけるジェンダー・エスニシティによる国際分業の変容
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16KT0096
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松久 玲子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (40239075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 幸子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00437310)
渡辺 暁 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20635338)
北條 ゆかり 摂南大学, 外国語学部, 教授 (40263032)
宇佐見 耕一 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (50450458)
中川 正紀 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (70295880)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | ラテンアメリカ / グローバリゼーション / 国際労働移動 / 「南」から「北」へ移民 / 「南」から「南」への移民 / 米国のラテン系移民 / スペインの南米移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラテンアメリカ域外、域内における南→北、南→南の国際労働移動を対象とし、ジェンダーの視点を分析枠組みに導入することで再生産領域におけるグローバリゼーションおよびジェンダー、階層、エスニシティによる国際分業の再配置と「複数のグローバリゼーション」の実態を明らかすることを目的として、2017年度は計5回の研究会と2回の講演会を実施した。 研究会では、理論枠組みを共有するための読書会と各自の文献・現地調査に基づく研究発表、ゲストスピーカーによる講演の3つの活動を実施した。研究会は、最終年度に研究成果の出版をめざし、理論枠組みの共通認識を共有するために、研究発表と並行してサスキア・サッセンを中心に2回の輪読を行った。 2017年夏休み、2018年春休みに、各研究員が担当する地域の現地調査を実施し、その報告会を5月および3月に行った。2017年度の海外調査は、アメリカ合衆国(文献調査と聞き取り調査5件)、メキシコ(聞き取り調査2件)コロンビア(1件)スペイン(聞き取り調査2件)において実施した。 3月および7月には、国内外の研究者による移民をテーマとした講演会を開催した。3月には、アメリカ合衆国にH2-Aビザで入国するメキシコ人農業労働者に関する講演を行った。7月には、研究連携しているメキシコCIESAそよびメキシコ首都大学から3名の研究者を招聘し、移民過程で起こる女性移民への暴力に関する講演会「ジェンダー、移動、暴力:移民の送り出し・受け入れ・中継地であるメキシコの現状」を行った。 ラテンアメリカからアメリカ合衆国とスペインの南から北への域外労働移動、および中米からメキシコ、コロンビアからチリの域内労働移動の事例を調査し、研究会に於いて知見を共有することにより、国際移民と「複数のグローバリゼーション」の実態を把握し、国際分業のあらたな局面を分析するための多様な事例の収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象がラテンアメリカおよびアメリカ合衆国、スペインの広域にまたがっているため、調査の進捗状況において各地域グループ間に差がでている。最終取りまとめまでに、研究会において議論を深め、全体の理論及び調査の枠組みを整え、研究成果を書籍の出版まで結びつけたいと考えている。そのためには、全体の調査が終わった段階で、集中的な討議をする必要があると考えているが、未だ全体の足並みが揃っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
夏休みまでにおおよその研究調査を集約する。 全体の討議を経て、各自論文にまとめ、研究成果を9月までに集約する。成果の出版に向けて、全体討論を行う。また、調査結果の公表、連携するメキシコの大学研究者との共同発表の場をもつために、公開講演会を行う予定である。 北米、中米、南米の国際移民調査の足並みが揃わず、計画を完了できない場合には、一年間の研究期間延長をした上で、成果公表を完了する。
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Causes of Carryover |
コロンビアとメキシコの現地調査を実施したが、宿泊の経費が不要で当初予算よりは出張費が割安になった。また、アルゼンチンからの研究者の招聘を予定しているが、招聘時期の調整がうまく就かず、今年度に持ち越すことになった。 2018年度は、各研究グループの進捗状況を見ながら、予定していた現地調査の追加調査を行う予定である。また、国際シンポジウム開催に向けて、アルゼンチン、メキシコから研究者を招聘する予定である。
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Research Products
(10 results)