2019 Fiscal Year Annual Research Report
The changing process of interantional labor division with perspective of gender and ethinicity in the Latinamerican labor migration of Latinamerica
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16KT0096
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松久 玲子 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (40239075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 幸子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00437310)
渡辺 暁 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20635338)
北條 ゆかり 摂南大学, 外国語学部, 教授 (40263032)
宇佐見 耕一 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (50450458)
中川 正紀 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (70295880)
戸田山 祐 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 助教 (20774029)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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Keywords | ラテンアメリカ / 国際労働移動 / ラテンアメリカ域内移民 / ラテンアメリカ域外移民 / 女性移民労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ラテンアメリカ地域における南→北と南→南の国際労働移動を対象とし,移動における国際分業体制を比較検討し,ジェンダーとエスニシティによる国際分業の再配置化と複層化するグローバリゼーションの実態を明らかにすることを目的とした.南→北への域外労働移動の事例として,メキシコ,中米からアメリカ合衆国,コロンビアとキューバからスペインへ,そして南→南への域内移動としては中米からメキシコ,ニカラグアからコスタリカ,アルゼンチン周辺国からアルゼンチンへの域内労働移動を取り上げ,エスニシティとジェンダーが国際労働移動の状況にどのような影響をおよぼすかを現地調査により明らかにし,最終年度である2019年は成果の公開にむけて学会でのパネル,特集号,本の出版を中心に行った. エスニシティに関しては,ラテンアメリカにおける先住民の国際労働移動の分布の全体像を文献調査から提示し,国際移動にかかわる動機および受け入れ国における相互扶助活動をユカタン州のマヤ移民の事例から分析した.その成果は,同志社大学人文研『社会科学』第49巻第1号に特集を組み発表した. また,ジェンダーの視点を分析枠組みとした研究では,南→北,南→南の移動において再生産領域の労働市場への統合が構造的にみられ,国境を越えた世帯維持,低賃金と劣悪な労働環境など共通した問題がみられるが,南→南では女性の置かれた脆弱性に起因してさらに厳しい状況に置かれていることが明らかになった.この成果は,『国境を越えるラテンアメリカの女性たちージェンダーの視点から見た国際労働移動の諸相-』として2019年2月に出版した.また,日本ラテンアメリカ学会の第40回定期大会においてパネル「ラテンアメリカにおける国際移民とジェンダー」を組み,成果の一部を公開した.
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