2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓米独中における3レベルの市民社会構造とガバナンスに関する総合的比較実証研究
Project/Area Number |
17002001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻中 豊 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70145944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 澄雄 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (00208521)
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
崔 宰英 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (80332550)
大西 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90254375)
森 裕城 同志社大学, 法学部, 教授 (70329936)
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Keywords | 政治学 / 市民社会 / ガバナンス / 近隣住民組織 / NPO・NGO / 自治会・町内会 / 利益集団 / 比較政治 |
Research Abstract |
平成21年度には、市民社会の構造とガバナンスとの関連性を分析するため、既遂の調査データの比較分析を行い、『現代市民社会叢書』(木鐸社)として3冊の書籍を公刊し、日本のNPO調査についてコードブックと報告書を刊行(筑波大学)した。 調査としては、中国での本調査、アメリカでの追加調査を実施した。平成19年度の韓国、ドイツでの本調査と、また平成18年度の日本での全国調査(社会団体、NPO、自治会等)、平成19年度地方政府調査の結果を踏まえ、本調査の実施前に、調査票の内容を再度確認し、国際比較という観点と各国の現状分析、前回調査との比較の3つの観点から調査票の質問内容を確定した。中国において社会団体・民弁非企業対象に質問紙調査を、前回実施地域であり、予備調査・パイロット調査でも検討した北京市及び浙江省の2地域で実施し、合計1000以上の回答をえた。アメリカについては前年度シアトル地域に加えて首都であるワシントンD.C.のNPOに関して実態調査を行い、約300に回答をえた(ともに精査中である)。 これまでの日本の3レベルのデータ分析と、自治体調査と相関させた分析、韓国、ドイツの調査データに関して記述的な比較分析を開始した。特に日本については上記叢書として3冊の書籍を公刊した。そこでは約10年前の前回調査との比較分析や、地域間ガバナンスとの連関分析も行った。既遂の日本、韓国、ドイツ、アメリカの4ヵ国の調査データの公開にむけデータ・ベースやweb-siteを整備し、外部からのアクセスによって基本的な分析が可能となる予定である。 日本を中心とした比較研究から、日本では、(1)アソシエーション「革命」が生じていないこと、(2)市民社会が財政、参加の面で組織的に弱体化していること、(3)中では自治会が相対的に影響力を感じていること、(4)NPOは一定の政治的役割を果たしていること、(5)自治体が水平的な市民社会組織との関係を重視していることなど、注目すべき発見がえられた。
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Research Products
(35 results)