2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症候群に伴う急性巨核球性白血症の多段階発症の分子機構
Project/Area Number |
17013004
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学部, 教授 (20168339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 力 弘前大学, 医学部, 講師 (50195731)
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Keywords | ダウン症候群 / GATA1 / BACH1 / AML1 / RUNX1 / TMD / AMKL / 白血病 |
Research Abstract |
21番染色体の過剰が原因であるダウン症は、最も多い染色体異常症で、約10%の症例にTransient myeloproliferative disorder(TMD)という前白血病を発症し、その20〜30%は生後4年以内に急性巨核球性白血病(AMKL)を発症する。最近、我々は、GATA-1遺伝子の変異がダウン症のTMDとAMKLで高率に見られ、変異GATA1(GATA1s)が発現していることを発見した。本年度は、ダウン症の白血病発症の仕組みを分子レベルでさらに明らかにすることを目的に研究を進め、以下の点について明らかにした。 1.21番染色体上の遺伝子ERGの発現をRT-PCR法で解析した結果、造血幹細胞・巨核球系細胞およびTMDとDS-AMKL細胞でERGが大量に発現していた。K562細胞にERGを強制発現すると、赤血球系から巨核球系に細胞分化が誘導された。レポーター・アッセイを用いてERGが巨核球特異的な遺伝子GPIbのプロモーターを活性化することを示した。また、ChIPアッセイにより、GPIIbプロモーターにERGがin vivoで結合していることを明らかにした。この結果より、ERGの過剰発現もダウン症候群の急性巨核球性白血病の発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。 2.21番染色体上の遺伝子AML1とGATA1の結合に必要なGATA1のドメインを解析し、GATA1のzinc-finger domainがAML1との結合に重要であることを明らかにした。この結果、GATA1sがAML1と結合できないというこれまでの説を否定することができた。 3.Affimetrix社のGene Chip(500K)を用いて、TMD細胞の遺伝子コピー数の解析進めた。その結果、コピー数が増加しているいくつかの領域を見出した。
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[Journal Article] Transgenic expression of Bach1 transcription factor results in megakaryocytic impairment.2005
Author(s)
Toki T, Katusuoka F, Kanezaki R, Xu G, Kurotaki H, Sun J, Kamio T, Watanabe S, Tandai S, Terui K, Yagihashi S, Komatsu N, Igarashi K, Yamamoto M, Ito E.
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Journal Title
Blood 105
Pages: 3100-3108
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