2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製フォークの傷害回避とRecQファミリーヘリカーゼの機能
Project/Area Number |
17013005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
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Keywords | 癌 / ブルーム症候群 / ワーナー症候群 / ロスモンド・トムソン症候群 / RecQヘリカーゼ / Sgs1 / DNA複製フォーク / 傷害回避 |
Research Abstract |
BLM、WRN、RTSはブルーム症候群、ワーナー症候群、ロスモンド・トムソン症候群の原因遺伝子産物で、RecQファミリーに属するヘリカーゼである。本研究では、RecQファミリーヘリカーゼ及び、それに機能的に関連するタンパク質の機能を解析することにより、これらの疾患の高発癌性の分子機構の解明を目指した。 1)DT40細胞から作製した遺伝子破壊を用いた遺伝学的解析により、DNA傷害誘導時には、BLMはRAD52の関与する組換え経路ではなく、XRCC3が関与する経路の下流で機能し、傷害により複製中に形成されるpseudo Holliday junctionを解消している可能性が示唆された。また、カンプトテシンによりDNAに傷害を誘導した際には、WRNに結合するWRNIP1とWRNは別経路で機能することが判明した。 2)アフリカツメガエル卵抽出液を用いたcell-free系による解析では、RecQ4(RTS)がDNA複製の開始だけでなく、2本鎖PNA切断の修復に関与する可能性が示唆された。 3)RecQファミリーヘリカーゼとして唯一のSgs1を持つ出芽酵母のモデル系を用い、Sgs1とTop3の複合体に含まれるRmi1(高等真核細胞のBLM結合タンパク質BLAP75の酵母ホモローグ)の機能を解析した。その結果、Rmi1はRad51が関与する相同組換え経路で機能していることが明らかになった。 4)WRN及びWRNIP1はDNA polymeraseδ(Polδ)の活性を促進することが報告されている。そこで、PolδとRecQファミリーヘリカーゼやWRNIP1との機能的関連を解析する目的で、出芽酵母のPolδのサブユニットのPol31の保存されたアミノ酸に変異を導入し、多数の変異株を分離した。この中には、5つの温度感受性変異株と1つの低温感受性変異株が含まれており、今後の解析のための材料の準備が完了した。
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Research Products
(6 results)