2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製フォークの傷害回避とRecQファミリーヘリカーゼの機能
Project/Area Number |
17013005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80107383)
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Keywords | 癌 / ブルーム症候群 / ワーナー症候群 / ロスモンド・トムソン症候群 / RecQヘリカーゼ / Sgsl / DNA複製フォーク / 障害回避 |
Research Abstract |
BLM、WRN、RTSはブルーム症候群、ワーナー症候群、ロスモンド・トムソン症候群の原因遺伝子産物で、RecQファミリーに属するヘリカーゼである。本研究では、RecQファミリーヘリカーゼ及び、それに機能的に関連するタンパク質の機能を解析することにより、これらの疾患の高発癌性の分子機構の解明を目指した。 1.DT40細胞から作製した遺伝子破壊を用いた遺伝学的解析により、BLMは、DNA9傷害誘導時には、XRCC3が関与する経路の下流で機能し、傷害により複製中に形成されるヘミカテナン様構造を解消している可能性が示唆された。一方、カンプトテシンによりDNAに傷害を誘導した際には、WRNは、KU70が機能する非相同末端組換え修復系を抑制するように機能していることを示唆する結果を得た。 2.RecQ4(RTS)の機能解析ではRTSがKU70とともに、二本鎖DNA切断(DSB)の近傍に存在すること、DSBへの局在にはポリADPリボースポリメラーセの機能が必要であることが判明した。 3.RecQファミリーヘリカーゼとして唯一のSgs1を持つ出芽酵母のモデル系を用い、Sgs1とTop3の複合体に含まれるRmi1(高等真核細胞のBLM結合タンパク質BLAP75の酵母ホモローグ)の機能を解析した。その結果、Rmi1が姉妹染色分体間のコヒージョンに関与する可能性を示唆する結果が得られた。 4.Sgs1はDNA複製装置がDNA傷害に遭遇した際、template-switchによる傷害回避に関与し、この過程で形成されるヘミカテナン様構造を解消することを示してきたが、この過程にSUMO化が関与することを明らかにした。
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Research Products
(15 results)