2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製フォークの傷害回避とRecQファミリーヘリカーゼの機能
Project/Area Number |
17013005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
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Keywords | 癌 / ブルーム症候群 / ロスモンド・トムソン症候群 / RecQヘリカーゼ / BLM / Sgs1 / DNA複製フォーク / 傷害回避 |
Research Abstract |
BLM、 WRN、 RTSはブルーム症候群、ワーナー症候群、ロスモンド・トムソン症候群の原因遺伝子産物で、RecQファミリーに属するヘリカーゼである。本研究では、RecQファミリーヘリカーゼ及び、それに機能的に関連するタンパク質の機能を解析することにより、これらの疾患の高発癌性の分子機構の解明を目指した。 1.DT40細胞から作製した遺伝子破壊を用いた遺伝学的解析により、BLMは、DNA傷害誘導時には、XRCC3が関与する経路の下流で機能するが、また、RAD17の下流でも機能していることが明らかになった。 2.RecQファミリーヘリカーゼとして唯一のSgs1を持つ出芽酵母のモデル系を用い、Sgs1とTop3の複合体に含まれるRmi1(高等真核細胞のBLM結合ダンパク質BLAP75の酵母ホモローグ)の姉妹染色分体間のコヒージョンに関与する機構を解析し、Ctf18、 Ctf8、 Dcc1、 Mrc1が関与する経路で機能することが明らかになった。 3.RecQ4 (RTS)の機能解析では、ADP-riboseポリメラーゼの機能に依存してRTSがDNA二本鎖切断部位(DSB)に集積することが判明し、RTSが複製の開始だけでなくDSBの修復にも関与する可能性が示唆された。また、RTSの機能を解析するための有効な手段となるRTS条件欠損株をDT40細胞を用いて作製した。 4.RECQL1/BLM/RECQL5遺伝子三重破壊株を作製し、その性状を解析したところ、三重破壊株は予想に反し、それぞれの遺伝子二重破壊株(BLM/RECQL1、 BLM/RECQL5)と同定度の増殖能を示し、また、SCEの頻度も二重破壊株の頻度を上回ることはなかった。したがって、TOP3αと結合するRECQL1、 BLM、 RECQL5のうち、BLMがTOP3αとの関係では中心的な役割を担うことが判明した。
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Research Products
(15 results)