2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製フォークの傷害回避とRecQファミリーヘリカーゼの機能
Project/Area Number |
17013005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
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Keywords | ブルーム症侯群 / ロスモンド・トムソン症候群 / RecQフミリーヘリカーゼ / DNA傷害回避 / 姉妹染色分体接着 / BLM / RECL4 / DNA組換え |
Research Abstract |
RecQファミリーヘリカーゼがDNA複製、DNAの傷害の回避や傷害の修復、停止したDNA複製の再開の過程で重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究では、RecQファミリーヘリカーゼのDNA複製、修復、組換え等における機能を解明することにより、RecQファミリーヘリカーゼの機能欠損による高発癌性の分子機構の解明を目指した。 1. ブルーム症候群の原因遺伝子産物BLMに結合するBLAP75の酵母ホモローグであるRmilがコヒージョンに関与するという予想外の重要な発見をしたことから、Rrnilが関わるコヒージョンが現在までに知られているコヒージョシのどの経路と関連しているのかを遺伝学的に解析した。その結果、RmilはCtf4, Chll, やCsm3が関与する経路ではなく、Ctf18-RFC複合体やMrc1が関与する経路で機能することが明らかになった。 2. BLMの組換えにおける役割をIgM遺伝子のgeneconversion(GC)で測定した。RECQ五5遺伝子欠損細胞ではIgM遺伝子のGC頻度が上昇したが、この細胞のBLM遺伝子を欠損させるとGCの頻度が減少したことから、GCをBLMは抑制し、RECQL5は促進すること、及び、BLMはRECQL5の上流で機能することが示唆された。 3. ロスモンド・トムソン症候群の原因遺伝子産物(RECQL4)の機能を解析する目的で、RECQL4の条件欠損株を作製して解析した。この細胞で、RECQL4の発現を抑制すると2日以内に細胞は増殖を停止してアポトーシスを起こしたことから、RECQL4が細胞の生存に必須であることが判明した。この増殖に必須な機能はRECQL4のN末領域だけで十分であり、ヘリカーゼ活性を含む他の領域には別の機能があることが示唆された。また、RECQL4に結合するタンパク質を検索し、多数の候補を同定した。
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Research Products
(15 results)