2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製フォークの傷害回避とRecQファミリーヘリカーゼの機能
Project/Area Number |
17013005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
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Keywords | ブルーム症候群 / ロスモンド・トムソン症候群 / RecQファミリーヘレカーゼ / DNA傷害回避 / 姉妹染色分体接着 / BLM / RECQL4 / KNA組換え |
Research Abstract |
RecQファミリーヘリカーゼがDNA複製、DNAの傷害の回避や傷害の修復、停止したDNA複製の再開の過程で重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究では、RecQファミリーヘリカーゼのDNA複製、修復、組換え等における機能を解明することにより、RecQファミリーヘリカーゼの機能欠損による高発癌性の分子機構の解明を目指した。本年度は特に、RECQL5の機能の解析を中心に研究を進めた。 1.RECQL1とRECQL5の組換えにおける役割をIgM遺伝子のgene conversion(GC)で測定した。RECQL5遺伝子欠損細胞ではIgM遺伝子のGC頻度が上昇したが、この細胞のRECQL1遺伝子を欠損させるとGCの頻度が減少したことから、GCをRECQL1は促進し、RECQL5は抑制すること、及び、RECQL1はRECQL5の上流で機能することが示唆された。 2.RECQL5に結合するタンパク質を検索し、RNAポリメラーゼIIを同定した。RECQL5のRNAポリメラーゼII(PolII)に結合する部位を詳細に解析し、RECQL5のKIXドメインとSRIドメインが関与することを明らかにした。これらのドメインやDNAヘリカーゼドメインの変異株を用いて解析することにより、RECQL5はヘリカーゼ活性を介して組換え修復に関与するとともに、PolIIによる転写を抑制することにより、転写による複製障害に由来する組換えを抑制することを明らかにした。 3.RECQL5のDNA修復における役割を解析し、RECQL5がシスプラチンやマイトマイシンCなどのDNA架橋剤による傷害の修復に関与し、DNAのクロスリンクの修復に関与するファンコニ貧血の原因遺伝子産物が関与する経路とは別の経路で機能することを明らかにした。
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Research Products
(20 results)