2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013091
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
北林 一生 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 分子腫瘍学部, 部長 (20261175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 均 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 分子腫瘍学部, 室長 (30303548)
清水 喜美子 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 分子腫瘍学部, 主任研究官 (00161414)
六代 範 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 分子腫瘍学部, 研究員 (20392334)
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Keywords | leukemia / MOZ / AML1 / hisotone acetyltransferase / hematopietic stem cells / chromosome translocation |
Research Abstract |
ヒストンアセチル化酵素をコードするMOZ遺伝子は、急性骨髄性白血病(AML)でみられるいくつかの染色体転座により融合遺伝子を生じる。MOZは転写因子AML1、PU.1及びc-MYBと結合して、これらの標的遺伝子の転写を制御することを明らかした。AML1、PU.1及びc-Mybは造血幹細胞の形成維持に必要であることから、MOZはこれらの転写因子を介して造血幹細胞を制御していることが示唆された。また、MOZ欠損マウス肝臓のLin陰性Sca-1陽性細胞では造血幹細胞の形成維持や増殖に重要なHoxA9,c-kit, c-mpl (TPO受容体)の発現が低下していたことから、MOZはこれらの発現制御を介して造血幹細胞を制御している可能性が考えられた。一方、AMLで見られるinv(16)染色体転座の結果生じるMOZ-TIF2遺伝子をc-kit陽性マウス骨髄性細胞に導入し放射線照射したマウスに移植したところ、移植後120日前後にAMLを発症した。この白血病発症マウスの骨髄細胞をさらに別のマウスに移植すると移植後50日前後で白血病を発症することから、白血病発症マウスの骨髄中には移植可能な自己複製能力を持っ白血病幹細胞が存在することが示唆された。白血病発症マウス骨髄では、Mac1及びM-CSFR陽性の単球の増加が見られる他に、Lin陰性・c-kit弱陽性・Sca-1陰性・CD34陰性・CD16/32陽性の芽球が異常増殖していた。同様な単球及び芽球の増加はMOZ欠損マウス胎仔肝臓でも見られることから、MOZ-TIF2は正常なMOZの機能に影響していることが予想された。HoxA9の発現はMOZ及びMOZ-TIF2により活性化される一方で、c-kitの発現はMOZにより活性化されMOZ-TIF2により抑制されることから、MOZとMOZ-TIF2の作用は標的遺伝子により異なると考えられた。MOZ融合タンパク質はMOZと同様にAML1及びPU.1と結合しPU.1依存的にM-CSF受容体の発現を誘導した。PU.1の発現を低下させた変異マウスではAMLが発症することやヒト白血病でAML1の変異が高頻度に見られることから、MOZ-TIF2による白血病発症にはPU.1やAML1の機能異常が関与する可能性が示唆される。
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Research Products
(8 results)