2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013091
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
北林 一生 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 分子腫瘍学部, 部長 (20261175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 喜美子 , 分子腫瘍学部, 主任研究官 (00161414)
六代 範 , 分子腫瘍学部, 研究員 (20392334)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / MOZ / PU.1 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病においてMOZ融合遺伝子が関与する白血病は特に予後が不良であることが知られる。白血病の発症メカニズムを解析するため、マウス骨髄から単離した造血幹細胞に急性骨髄性白血病で見られる融合遺伝子MOZ-TIF2をレトロウイルスベクターにより導入し、これを放射線照射した野生型マウスに骨髄移植することにより白血病が発症する白血病モデル実験系を確立した。この白血病マウスの骨髄細胞からセルソーターを用いて細胞集団を分画して、野生型マウスに再移植することにより白血病誘導活性を調べたところ、M-CSF受容体の発現が高い細胞に強い白血病誘導活性が見られ、発現が低い細胞にはその活性が殆どないことが示された。M-CSFR遺伝子プロモーターにFas遺伝子を連結した融合遺伝子導入したトランスジェニックマウスを用いて、M-CSFRを高発現する細胞にアポトーシスを誘導すると白血病細胞が消失し、白血病発症が抑制された。これらの結果は、白血病幹細胞はM-CSFR高発現細胞に含まれ、これらの細胞を除去することにより白血病が治癒出来ることを示している。免疫沈降実験およびレポーターアッセイによりMOZ融合遺伝子産物が転写因子PU.1と結合してM-CSFRプロモーターを強く活性化することを見出した。PU.1及びM-CSFR遺伝子欠損マウスではMOZ-TIF2による白血病発症がみられないことから、PU.1/M-CSFR経路はMOZ-TIF2による白血病発症に必須であることが示された。MOZ-TIF2による白血病モデルマウスシステムにM-CSFR特異的チロシンキナーゼ阻害剤を投与したところ、白血病の発症が顕著に抑制された。これらの結果からM-CSF受容体阻害剤が白血病治療に有効であることが強く示唆された。
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Research Products
(18 results)